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1.◇ disappointment ページ34

「確認確認。舘さんと翔太と目黒聞こえる?」
『聞こえてるよ。』
「佐久間と康二は?」
『バッチシ!!』

名前を呼んでいない阿部と深澤が隣にいることを目視し、岩本は全員の点呼を完了させた。

解放軍8人は、9区サナトリウムの3箇所にグループを分けて点在した。康二によるとおそらく地下の階があるらしく、地上、地下、外回りを探索することにしたのだ。
深澤、阿部と共に地上階を回る岩本は腕の皮膚を固める。壁を破って侵入なんて大胆なことはするつもりはないのだが、もしもに備えて後方の2人を守るように片腕を広げた。

『こちら向井と佐久間。外には監視カメラと人影は無いで。』
「了解。」

気を張る岩本の代わりに阿部が返事をする。インカムの奥で布が擦れる音が聞こえ、2人は行動を開始したらしい。続いて翔太が『入るよ』と短く言った。病み上がりの目黒が気がかりだが、幼なじみの2人がついていれば安心だろう。

「...こっちも、開けるぞ。」

こちらは扉ではなく窓からの侵入となる。淵に手をかけ慎重に開けるー...が、先に見えるはずの室内は確認できず、代わりに木目が覗いた。深澤がぎょっとして声を上げる。

「うわっなんだこれ。」
「天板が貼られてるね。外からの情報をシャットアウトしてるんだ...。」

岩本は固めた指で天板に穴を開け、深澤を呼んだ。迷いなく覗き込んだ彼の瞳孔がキュルキュルと回り出す。

「...どう?」
「長い廊下が続いてて...部屋がいっぱいあるね。人影は無し。行くなら今だよ。」

その言葉を信じ、思い切り天板を外す。ベコリと鈍い音がしたが誰かが走ってくる様子はない。ひょいと窓を跨いだ岩本に続き、重い銃を背負った深澤がそれを感じさせない軽やかな動きで入り、精密機械を抱えた阿部は少し戸惑いながら跨いだ。

「こちら岩本。皆無事か?」
『おれ佐久間、全然平気〜!外は任せて!』
『目黒です。こっちも問題ありません。』

開いた部屋に身を隠してインカムで連絡を取る。全員無事に潜入していることに一旦安堵し、また気を引き締めた。まだ序章ですらないこの戦いを進めるため、拠点で組んだ作戦を思い出しながら順序を立てていく。
深澤は扉を耳に当てながら周りを警戒する。スナイパーを担当する彼は桁外れの視力の他に、集中力も鍛え上げられていた。
阿部は持っていたノートパソコンを開き、康二が書いたおおよその地図と現在地を照らし合わせる。

音もなく、戦いの火蓋は切って落とされた。

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もえなっとう(プロフ) - 藤菜さん» こんばんは!いえいえ全然大丈夫ですよ!?いつもありがとうございます! (2021年1月28日 20時) (レス) id: 9d4a7bc2ed (このIDを非表示/違反報告)
藤菜(プロフ) - こんばんは!余計な事を言ってしまってすみませんでした!続きを楽しみに待ってます! (2021年1月28日 19時) (レス) id: f78a68b7f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もえなっとう | 作成日時:2021年1月28日 18時

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