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向井は目黒の額に浮かぶ汗をそっとタオルで拭う。
すると、彼の目がぼんやりと開かれた。
「あ、起こしてもた?」
「...........」
どこか虚ろとした目でしばらく向井の顔を見つめた後、蚊の鳴くような声で「皆は」と呟いた。
「下におるよ。」
「...俺も、行く」
「いやいやいや何してんねん!!寝ときや!」
力の入らない腕で無理やり体を起こそうとする目黒を慌てて寝かそうとするがあまりにも抵抗するので、背中にクッションを差し込んで上半身のみを起こす形にした。それだけでふうふうと荒い息を吐く目黒が、1階へ下りることなどできるはずがない。
「でも.....、俺のせい....」
「誰のせいでもないわ、あほ。」
目を覚ます度に同じことを繰り返す目黒を小突く。罪悪感に苛まれるのは痛いほど分かるのだが、あまりにも状況が悪いので焦ったって仕方がない。
まずはめめの体調が最優先やで、と言っているのに聞いていない。
「誰もあんなん予想出来へんって。どっから来たかもわからへんのに怪我したまま位置追い続けろって言う方が無茶やわ。
もう振り返ったってしゃーないねんから次どうするか考える方が先やで。」
辛いことを言っているようだがそれが優しさだということは目黒も十分にわかっている。それでも、胸をぎゅうっと絞り続ける感情がやまない。
俯いて静かに頷く年下の男の頭をそっと撫でて向井は続ける。
「大丈夫。下におる皆は俺らよりも廃都に詳しいんやで?それにめっちゃ強い!!皆にかかれば天都の連中なんかコテンパンやから!
すぐに見つけてくれるって。やからめめは安心して寝とき。」
勿論俺も負けへんで!でシュッシュとパンチを繰り返す向井を見て、目黒は初めて笑顔を見せた。格闘技の心得があるはずなのに、なぜだかパンチがヘボそうに見える。「弱そう」と正直に言うと、「いや本業はキックやし!!」と言い訳をした。
「...うん、ごめん。」
「謝らんでもええんやけどな....何度も言うけど、まぁまずははよ治すことが最優先な。その後に作戦とか色々伝えるから。」
その作戦がまとまっているかは分からないが、下の声が落ち着いてきたということはそういうことなのだろう。着々と進んでいく計画に緊張がこみ上げながらも、向井は気丈に振舞った。
「で、俺は何すればいいの?」
「いや話聞いとった?」
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もえなっとう(プロフ) - 藤菜さん» こんばんは!いえいえ全然大丈夫ですよ!?いつもありがとうございます! (2021年1月28日 20時) (
レス) id: 9d4a7bc2ed (このIDを非表示/違反報告)
藤菜(プロフ) - こんばんは！余計な事を言ってしまってすみませんでした！続きを楽しみに待ってます！ (2021年1月28日 19時) (レス) id: f78a68b7f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もえなっとう | 作成日時：2021年1月28日 18時
