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すっかり毒気を抜かれた北斗と樹は慌てて両手をあげて、攻撃する意思がないことを示す。

「大丈夫です!!俺たちサナトリウムの者じゃないです。」
「ほら!!俺奇病持ちだし、こんな毛むくじゃらだけどちゃんと人ッスよ!」

樹は毛をしまいかけている腕を見せる。それをきょとんとした様子で見ていた2人は一気に安堵してため息をついた。

「はぁ〜、もう驚かさんといてくださいよ!!死ぬかと思った!!」
「す、すいません...。」


両者落ち着くために人目につかない場所へ移動し、小さな懐中電灯で状況を把握することにした。明かりで照らすと、どちらもタイプは違うが顔がとても整っていると感じる。

「え...と、俺は田中樹っていいます。こっちは松村北斗で、俺たち6区から来ました。さっきのアラート言ってた「テレパス」は、俺達の仲間で...。」
「6区から!?えらい遠いところからきたんやな...。」
「まあ俺らは12区からきたんだけどね。」

今度はこちらが驚く番だった。12区は年中雪が降りしきる過酷な地域だと言われており、人が住むことは困難だとされている。しかし向こうからすれば、6区は目が開けられないほどの砂嵐が街を襲い、人っ子一人住んでいないと教えられているそうだった。

「お宅の方がうちの子を連れ出してくれたんやね。」
「...えっ」
「俺達は「忘却病」の子を探しに来たんだよね!」

点と点が線になった。
脱出しようとしている2人を探す2組の反政府組織。同じ目的を持ったこれらが集まれば早く探し出せる。希望が見えた北斗の口角が僅かに上がる。

「俺は向井康二言います。元は9区におったけどなんやかんやあって12区の人らとグループ組んでるねん。」

道理で聞かない訛りなわけだ。土地に詳しいであろう人物がいてまた期待が高まる。
さて、と隣の小柄な男が口を開く。

「俺っち佐久間大介です!3区からきてそっから12区!他のメンバーもきてるよ。」

...何の気なしに発せられたその名前を、2人は知っていた。

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もえなっとう(プロフ) - 藤菜さん» こんばんは!いえいえ全然大丈夫ですよ!?いつもありがとうございます! (2021年1月28日 20時) (レス) id: 9d4a7bc2ed (このIDを非表示/違反報告)
藤菜(プロフ) - こんばんは!余計な事を言ってしまってすみませんでした!続きを楽しみに待ってます! (2021年1月28日 19時) (レス) id: f78a68b7f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もえなっとう | 作成日時:2021年1月28日 18時

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