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1. Cause ページ2

混沌の中、岩本が部屋の隅で蹲るラウールのもとへ行こうと部屋に1歩踏み出した。

...瞬間、1人の男が岩本へ掴みかかる。
咄嗟に奇病を行使した腕で防ぐ。しかし目の前の男は岩本と同じくらいか、あるいはそれ以上の背丈を持っており力比べでは埒が明かないようだった。

男の背後を盗み見ると、また別の男が倒れている。軍人と同じ服装をしているようだがジャケットを着ているだけだ。基礎支給の武器も十分に揃っていないため、敵から装備を奪ったファンタジスタ...放送の内容と照らし合わせると、こいつがラウールを連れて脱出した「テレパス」の男だと理解した。

「お前、松村北斗の仲間だろ!!」
「ッ何で、北斗の名前...」
「俺達は敵じゃない。そこの少年を保護しに来たんだ!!俺の仲間と接触した松村北斗から、お前らを探して欲しいと頼まれてる!脱出に協力してくれ!」

詳しいことはインカムで聴きやがれと半ばやけくそのまま叫んだ内容に、男の力が緩む。そのまま腕をおろし、インカムのスイッチを入れて差し出した。

「もっもしもし、北斗...?いるの?」
『誰!?知らない人の声がする!』
『さっくんそれ多分北斗クンのお仲間や!!代わったり!』
『あ、なるほど、北斗ー!!仲間から連絡きてる!!』

でかい図体を縮こませながらインカムを耳に当てたり口に近付けたり右往左往している男を横目に、ラウールの元へ駆け寄った。

「おい、ラウール、ラウール!!....くそ、」

両肩を掴み揺さぶるが虚ろに開かれた瞳はこちらをちらりとも見ない。こんな慌ただしい状況であるのに、薄く開かれた口からはゆっくりと、まるで眠っているかのような呼吸が零れていた。
あまりにも異常な昏睡状態に、岩本は内心酷く焦る。やられたと感じるが何をされたか検討もつかない。連絡をとっている男も先程侵入したと考えれば恐らく何も知らないだろう。

ーどうすればいい?このまま連れ帰れたとして、もし目が覚めなかったら...


「...くすり、を、打たれてる.......」

咳き込みながら聞こえた消え入りそうな声は、先程から床に倒れている男から発せられたものだった。

「「テレパス」...」
「こーち、気がついた!?大丈夫!?」

2→←×月×日 ×時×分 教会



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- 面白くて一気に読んでしまいました!お忙しいとは思いますがまた更新再開するのを待ってます!!!! (2022年3月9日 23時) (レス) id: 1d9129f20d (このIDを非表示/違反報告)
もえなっとう(プロフ) - Hano.さん» Hano.さん初めまして、ありがとうございます!これからもぜひお楽しみに...! (2021年11月11日 11時) (レス) id: 9d4a7bc2ed (このIDを非表示/違反報告)
Hano.(プロフ) - この作品おもしろくて一気読みしてしまいました、、!これからも更新楽しみにしています!! (2021年11月4日 12時) (レス) id: c16f775043 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もえなっとう | 作成日時:2021年10月20日 1時

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