【KANA-BOON】近くにいるほどわからない【学パロ】

No.29 ページ29

29.


飯田くん……が私を好き…？…あぁ、夢か…


意識がはっきりすると、ようやく朝だということがわかる。それと同時に飯田くんのことが頭に浮かぶ。夢じゃないのに、夢かと一度疑ってみる。


でも飯田くんのことは事実。このことから目を背けたがる自分に罪悪感を覚える。


たっぷり睡眠をとったはずなのに目の下のクマはとれていない。あぁ、クマをとる方法…なんだっけ。でも時間ないしできないか。


朝ごはんを食べ終わってすぐにこいちゃんが家に迎えに来た。


こいちゃん「おはよ！…クマひどいな。寝てへんのか…」


「んー、なんか疲れてるみたい」


こいちゃん「無理せんでな」


こいちゃんは疲れている私を気遣いながら、いつもより少し遅めに隣を歩いてくれた。



今はこいちゃんといるのに、頭の中は昨日のことばかり。みんなは、私のことをどう思っているんだろう。本当に好きで仲良くしてくれているのかな。それとも、ただ遊びに付き合ってくれているのかな。


私は、鮪くんも、飯田くんも、古賀くんも、こいちゃんも…みんな好き。




「あのね、こいちゃん」


こいちゃん「ん？」


「私、みんな好き」


こいちゃん「そっか」


私がなにを言いたいのか、多分こいちゃんは分かってくれたんだも思う。だからこいちゃんはそれ以上なにも言うことはなかった。

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