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Attention#08 ページ8

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最寄駅のアナウンスが流れると、

私より先に知念くんが動き出した。


扉が開くとすぐに降りて、彼はどんどん歩く。



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必死についていく私はきっと滑稽で、

まるでストーカーしてるみたい、と思い急ぎ足で隣に行こうとしたとき。









「………楽しかった?」



突然立ち止まった知念くんがひと言放った。







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楽しかった?って、一体。






「えっと、何が?」




そう聞き返すと、

途端に「話の通じないやつだな…」と言いたげな反応をされる。






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「お昼休み、」

「昼…」


「…行ってたじゃん、………裕翔くんのとこ」



自分の口から出た言葉にどうしてか不服そうな顔をする。




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「…裕翔くんと過ごした昼は、どうでしたか」





敬語の部分をわざと強調するようにして問われた。

不倫ドラマみたいな言い回しに、なんだか肩身が狭くなる。




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「普通に、」

「普通に?」


「楽しかった、よ?」





素直に答えれば、不機嫌そうに眉を寄せる。



表情筋があまり動かないポーカーフェイスの知念くんの、

僅かな変化。





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「……浮気者、」



拗ねたように口を尖らせて、またそんなことを言う。

そしてスタスタと歩き出してしまった。



小走りで追いかけながら言葉を探す。




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「ねぇ、」

「………」



「裕翔は友達だよ?」

「………そういうことじゃなくて」




一瞬黙って、言おうか言わまいか迷っているような顔をすると、

静かに口を開く。





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「…嫌でしょ、Aが他の男に会いに行ってたら」



耳に届いたのは意味深なセリフ。



「………じゃあ、そういうことだから」



颯爽と来た道を引き返していった彼。

気づけば、もう自宅前だった。




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そういうこと、って。

都合よく解釈してもいいの?なんて。


聞き返せない私はチキンだ。

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設定タグ:知念侑李 , Hey!Say!JUMP   
作品ジャンル:恋愛
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悠輝柊桜(プロフ) - 初めまして!完結おめでとうございます。もし良かったら少しでもいいので続編書いていただけないでしょうか?ご検討頂けたら嬉しいです。 (2018年4月2日 11時) (レス) id: 000d5f7e93 (このIDを非表示/違反報告)
もえあ(プロフ) - perutc3010さん» ありがとうございます(><)微力だなんてとんでもない…!私にとってはすごく心強いです!ご協力お願いします! (2018年4月1日 23時) (レス) id: a6b7387403 (このIDを非表示/違反報告)
もえあ(プロフ) - りょーちゃんさん» ありがとうございます(><)その言葉に救われます…!ぜひご協力お願いします! (2018年4月1日 23時) (レス) id: a6b7387403 (このIDを非表示/違反報告)
perutc3010(プロフ) - 初めまして。いつも楽しく拝読しております。微力ながら違反報告に協力いたします。これからも更新頑張ってください (2018年3月31日 7時) (レス) id: 52470abde8 (このIDを非表示/違反報告)
りょーちゃん(プロフ) - もえあ様の作品本当に大好きです。ツンデレ彼氏の妬かせ方、本当に大好きでした。なので、運営の通報協力します!!!これからも、更新等々がんばってください!! (2018年3月30日 23時) (レス) id: 00bf3b3a54 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もえ乃 | 作成日時:2016年11月26日 22時

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