Attention#27 ページ27
.
.
どうして気づけなかったのかと、
降りかかる不甲斐なさに思わず俯く。
「私…、彼女失格だ。…知念くんにそんな顔ばっかりさせちゃう」
大好きな人の笑顔を守るのが務め。
もし、私の傍にいることで彼から笑顔が消えるのならば、
その時は身を引く覚悟はできている。
だけど、一つだけ。
これだけは自信を持って言える。
.
.
「………それでも大好きなの、知念くんが」
そこまで言った私は俯く。
拒絶されたら、きっとしばらくは立ち直れないだろう。
そんなことを思いながら。
.
.
「…Aっ、」
途端に私を包み込む、大好きな香り。
知念くんに抱きしめられてるんだって、すぐに分かった。
.
.
「………ずっとこうしたかった、」
「知念くん、…っ」
私もだよ、という言葉は彼によって飲み込まれてしまう。
すれ違っていた時間を埋めるような口付けに、
慣れない私はもう既に息切れで、
「…っ、はぁっ、」
「…かわいい」
酸素が足りなくて崩れる私の腰を知念くんが支える。
.
.
「…私のこと、まだ好きでいてくれる?」
「まだっていうか、Aが思ってる以上に好きだから」
「…よかった、捨てられちゃったかと思った」
「そんなことするわけないでしょ?」
にっこりと笑う、
こんな彼の表情を見るのはいつぶりだろう。
.
「…好きすぎてどう接していいか分かんなくて、ずっとゲームしてた」
「そうなの?…てっきり飽きられたのかと、」
「…なわけないじゃん」
呆れ半分、申し訳なさ半分の声色でため息を漏らすようにそう言った。
私よりゲームを優先していると思っていたけれど、
告げられたその真相に心から安心する。
.
.
「僕、ちゃんと謝んないといけないね」
改まった様子で喋り出した知念くん。
真っ直ぐに瞳を捕らえられる。
.
.
「Aにさみしい思いさせてごめんね、…でも、ちゃんと好きだから」
久しぶりに聞いた「好き」という言葉に胸が熱くなる。
「今までの分、これからはいっぱい甘えていいよ」
そう言ってふわりと笑う彼に、
私はさっそく抱き着く。
意外と広く大きな背中。
そして、一生守ってくれそうな腕に包まれる。
.
.
幸せすぎると涙が出るなんて初めて知った。
1674人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
悠輝柊桜(プロフ) - 初めまして!完結おめでとうございます。もし良かったら少しでもいいので続編書いていただけないでしょうか?ご検討頂けたら嬉しいです。 (2018年4月2日 11時) (レス) id: 000d5f7e93 (このIDを非表示/違反報告)
もえあ(プロフ) - perutc3010さん» ありがとうございます(><)微力だなんてとんでもない…!私にとってはすごく心強いです!ご協力お願いします! (2018年4月1日 23時) (レス) id: a6b7387403 (このIDを非表示/違反報告)
もえあ(プロフ) - りょーちゃんさん» ありがとうございます(><)その言葉に救われます…!ぜひご協力お願いします! (2018年4月1日 23時) (レス) id: a6b7387403 (このIDを非表示/違反報告)
perutc3010(プロフ) - 初めまして。いつも楽しく拝読しております。微力ながら違反報告に協力いたします。これからも更新頑張ってください (2018年3月31日 7時) (レス) id: 52470abde8 (このIDを非表示/違反報告)
りょーちゃん(プロフ) - もえあ様の作品本当に大好きです。ツンデレ彼氏の妬かせ方、本当に大好きでした。なので、運営の通報協力します!!!これからも、更新等々がんばってください!! (2018年3月30日 23時) (レス) id: 00bf3b3a54 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:もえ乃 | 作成日時:2016年11月26日 22時