Attention#23 ページ23
.
.
「…どうした？」
心配という感情が全身から伝わるオーラと、
いつも私に安心を与えてくれる彼の笑顔。
「………裕翔、」
まるで「大丈夫だよ」と言うように微笑むと、
大きな手で頭を撫でてくれる。
そんな些細な行動に今まで意識なんてしたことなかったのに、
さっき言われたフレーズが蘇ってしまい、安心感は次第に罪悪感へと変わる。
.
.
「A、何かあった？」
僅かな異変を感じ取ったのか、
裕翔は撫でる手を止めて私の目を見る。
やっぱり裕翔には敵わないんだな、なんて。
.
.
「………知念くんに、捨てられちゃった」
もっと上手な言い回しはあったはずなのに、
ぽろりと口から零れるように発したのはそれだった。
振られたんじゃない。立場を考えたら、私は捨てられたんだ。
自ら言ったことによって徐々に現実味を帯び、
視界が涙で霞む。
.
.
「…それって、俺のせい？」
感情が読み取れない、それでいて堂々とした声。
裕翔は私を見つめながらそんなことを言う。
「裕翔のせいじゃないよ、私が中途半端なことするから…」
「A」
焦りゆえに饒舌と化した私を、
今度は芯の通った真っ直ぐな声で制止される。
.
「…俺のとこおいで」
「………え、？」
揺れる瞳は、どこか熱っぽい。
.
「俺と一緒に過ごしたことが原因なら、全部俺のせいにすればいい」
「…裕翔、」
「………俺なら離したりしない」
その瞬間、強く腕を引かれる。
ショートしていた思考回路が作動を再開したとき、
私は裕翔の腕の中にいた。
.
.
「A、好きだよ」
.
.
突然の告白に、流れかけた涙が行き場をなくした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1674人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
悠輝柊桜(プロフ) - 初めまして！完結おめでとうございます。もし良かったら少しでもいいので続編書いていただけないでしょうか？ご検討頂けたら嬉しいです。 (2018年4月2日 11時) (
レス) id: 000d5f7e93 (このIDを非表示/違反報告)
もえあ(プロフ) - perutc3010さん» ありがとうございます(＞＜)微力だなんてとんでもない…！私にとってはすごく心強いです！ご協力お願いします！ (2018年4月1日 23時) (レス) id: a6b7387403 (このIDを非表示/違反報告)
もえあ(プロフ) - りょーちゃんさん» ありがとうございます(＞＜)その言葉に救われます…！ぜひご協力お願いします！ (2018年4月1日 23時) (レス) id: a6b7387403 (このIDを非表示/違反報告)
perutc3010(プロフ) - 初めまして。いつも楽しく拝読しております。微力ながら違反報告に協力いたします。これからも更新頑張ってください (2018年3月31日 7時) (レス) id: 52470abde8 (このIDを非表示/違反報告)
りょーちゃん(プロフ) - もえあ様の作品本当に大好きです。ツンデレ彼氏の妬かせ方、本当に大好きでした。なので、運営の通報協力します！！！これからも、更新等々がんばってください！！ (2018年3月30日 23時) (レス) id: 00bf3b3a54 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もえ乃
| 作成日時：2016年11月26日 22時
