Attention#03 ページ3
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「中島くんいますか?」
開け放たれたドアからD組の教室内を覗き、近くにいた男子に声をかける。
呼んでくるね、と言われて待っていると、
すぐにヤツはやってきた。
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「中島くんってなんだよ、うける」
「しょうがないじゃん!咄嗟に出たのが中島くんだったんだもん…!」
透かさず反論すればケラケラと裕翔は笑う。
彼は去年同じクラスで仲良くなった私の数少ない男友達だ。
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「裕翔〜って叫んでくれたらすぐ気づいたのに」
「人見知りにそんなこと言っちゃう?」
「あはは、冗談だよ」
どこまでが冗談なのか分からないけれど、
言いながらニコッと微笑む裕翔は相変わらずさわやかで困る。
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「ていうか、」
「ん?」
「何か用あったんじゃないの?」
首を傾げながら私を見る裕翔。
長身な彼がその仕草をすると、読者モデルのポージングにも見える。
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「えっと、特に用はないの」
「そうなの?Aからこっちに来るなんて珍しいから、急用かと思った」
そう言われてみれば、たしかに。
廊下ですれ違ったときに挨拶のついでに少し立ち話をするぐらいで、
クラスが離れて以来わざわざ教室まで足を運ぶことはなかった。
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「知念は?」
「教室にいる」
「あー……」
何かを察したらしい裕翔は、曖昧に相槌を打つ。
おそらく知念くんがゲーマーだと知っているため、状況を把握してくれたのだろう。
その話題には触れずに話を変えてくれる裕翔はコミュ力が高い。
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「じゃあ、そろそろ戻るね」
すっかり話し込んでいたら予鈴が鳴った。
もうすぐ午後の授業が始まる。
「うん。またD組に来いよ、楽しかったから」
「私で良ければいつでも」
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まともな会話をしたのは久しぶりだな、なんて思いながら、
ばいばい、と手を振ってA組に戻る。
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悠輝柊桜(プロフ) - 初めまして!完結おめでとうございます。もし良かったら少しでもいいので続編書いていただけないでしょうか?ご検討頂けたら嬉しいです。 (2018年4月2日 11時) (レス) id: 000d5f7e93 (このIDを非表示/違反報告)
もえあ(プロフ) - perutc3010さん» ありがとうございます(><)微力だなんてとんでもない…!私にとってはすごく心強いです!ご協力お願いします! (2018年4月1日 23時) (レス) id: a6b7387403 (このIDを非表示/違反報告)
もえあ(プロフ) - りょーちゃんさん» ありがとうございます(><)その言葉に救われます…!ぜひご協力お願いします! (2018年4月1日 23時) (レス) id: a6b7387403 (このIDを非表示/違反報告)
perutc3010(プロフ) - 初めまして。いつも楽しく拝読しております。微力ながら違反報告に協力いたします。これからも更新頑張ってください (2018年3月31日 7時) (レス) id: 52470abde8 (このIDを非表示/違反報告)
りょーちゃん(プロフ) - もえあ様の作品本当に大好きです。ツンデレ彼氏の妬かせ方、本当に大好きでした。なので、運営の通報協力します!!!これからも、更新等々がんばってください!! (2018年3月30日 23時) (レス) id: 00bf3b3a54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もえ乃 | 作成日時:2016年11月26日 22時