Attention#17 ページ17
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リア充部活勢はぞろぞろと教室を出ていき、
帰宅部勢は特に急ぐわけでもなく教室に居座る。
終礼後はこんな光景が日常だ。
いつも私は後者だけど、もうすぐ裕翔が迎えに来るため今日は少し急ぐ。
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「なんでそんなに急いでるわけ?」
慌てる私を不審に思ったのか、いつの間にか傍にいた知念くんにそう聞かれる。
「それ、は……気分みたいなものだよ!」
裕翔のことで彼が機嫌を損ねたことを思い出し、つい言葉に詰まる。
もし裕翔が迎えに来たところを見られたらそれこそまずい。
少し考えて、彼が来る前に私が行けばいいという考えに至り、
リュックを背負って教室を出ようとするけれど、
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「…え?」
パシッと掴まれた手首によって、動きが止まる。
「なに一人で帰ろうとしてんの、」
「いや…一人っていうか」
「一緒に帰るよ」
今何と?一緒に、帰る?
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「え、誰と?」
「はぁ?僕しかいないでしょ」
「いやそれは!ちょっと、」
「文句あるの?」
眉間に皺を寄せて私を見る知念くん。
いつもなら、喜んで帰る。
けど、何でこんな時に限って二日連続で誘われるんだろうか。
昨日珍しく誘われたと思ったら、今日もだなんて。
嬉しいことなのに複雑だ。
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「文句はないよ!でも、今日はちょっと、」
「俺が予約しちゃってるから、ごめんな」
後ろから聞こえた声に青ざめる。
おそるおそる振り向くと、そこにいたのはもちろん裕翔。
「………予約?」
知念くんの眉がピクリと動く。その瞬間、僅かに手首を掴む力が緩んだ。
そんな様子には気にも留めず、
タイミングを見計らったかのように今度は裕翔が私の腕を引く。
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「じゃ、また明日」
裕翔は知念くんにそう言うと、私を連れて教室を出る。
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「………、」
こっそり振り返った先に見えた知念くんは、
下唇を噛みしめて俯いていた。
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悠輝柊桜(プロフ) - 初めまして!完結おめでとうございます。もし良かったら少しでもいいので続編書いていただけないでしょうか?ご検討頂けたら嬉しいです。 (2018年4月2日 11時) (レス) id: 000d5f7e93 (このIDを非表示/違反報告)
もえあ(プロフ) - perutc3010さん» ありがとうございます(><)微力だなんてとんでもない…!私にとってはすごく心強いです!ご協力お願いします! (2018年4月1日 23時) (レス) id: a6b7387403 (このIDを非表示/違反報告)
もえあ(プロフ) - りょーちゃんさん» ありがとうございます(><)その言葉に救われます…!ぜひご協力お願いします! (2018年4月1日 23時) (レス) id: a6b7387403 (このIDを非表示/違反報告)
perutc3010(プロフ) - 初めまして。いつも楽しく拝読しております。微力ながら違反報告に協力いたします。これからも更新頑張ってください (2018年3月31日 7時) (レス) id: 52470abde8 (このIDを非表示/違反報告)
りょーちゃん(プロフ) - もえあ様の作品本当に大好きです。ツンデレ彼氏の妬かせ方、本当に大好きでした。なので、運営の通報協力します!!!これからも、更新等々がんばってください!! (2018年3月30日 23時) (レス) id: 00bf3b3a54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もえ乃 | 作成日時:2016年11月26日 22時