ツンデレ彼氏の妬かせ方〜Yuri.C〜

参りました#42 ページ42

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こういう時だけ黙秘権を使う私は、ずるい女？





苗字が、自然に口から出た。ただそれだけ。

そう言えばいいのに。



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口から出かけた言葉を飲み込んだ。




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「知念に呼び捨て禁止令でも出された？」


「……え、？」



そんな中、思いもよらぬ質問をされる。






「俺は出されたよ、呼び捨てにするなって」


「え、あ…そうなんだ」




そんなの、全然知らなかった。





「だからさっきも

呼び捨てじゃなくて"Aちゃん"って呼んだんだけど、気づいた？」



気づくわけないかーって、言いながら君は笑うけれど。





当の私は、

笑って流せるほどこの言葉が胸に刺さらないわけなくて。





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「禁止令なんて、気にしなくてもいいんじゃないかな？」




つい意味の分からないことを言ってしまった。



語弊がある。

これじゃあまるで、呼び捨てにしてほしいみたいだ。




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「やめてよ、今さらそんな」




彼は力なく微笑む。




「期待させるようなこと、言わないで」






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そしてゆっくりと近づいてきた。


私の脳が、この言葉の続きは聞いたらダメだと指令している。





逃げるように後ずさる。彼は近づく。





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「諦められなくなっちゃうでしょ？」





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最後まで聞かなければ、楽だったのかもしれない。

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