参りました#40 ページ40
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「やったぁ!皆中だ(※)」
黒板に二重丸を2つ記入して、弓を弓立てに置いた。
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「佐伯はすごいなー」
「そういう中島も皆中じゃん」
中島は先輩のアドバイスをしっかり聞いて着実に結果を残してきた。
そんな彼は一年生の頃から期待されている。
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「大会近いしがんばろうな」
「うん!」
私と中島は、市内大会で通過本数を当てたため、県大会の選抜メンバーになった。
ここで勝ち残れば、次は全国だ。
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「おつかれさまでーす」
部活が終わり、高速で帰る準備をして玄関に向かう。
道場内で走っちゃだめだけど、
それどころではない。
「あれ、佐伯もう帰るの?
いつものんびりしてるのに」
玄関では、ちょうど中島が靴を履いているところだった。
「うん、今日はちょっとね」
「バレー部が早く終わったとか?三上さん待たせてる的な」
「違うよ、今日は碧衣と帰らないから」
中島は、迷いなくきっぱり答えた私に、
じゃあどうして?と言いたげだった。
「一緒に帰らないって、珍しいね。喧嘩でもした?」
心配そうに尋ねる中島。
自分の事じゃないのに、
不安そうに困らせた眉がおかしくて、つい吹き出してしまった。
「なんで笑うんだよ、」
「ごめんごめん!ふふ、やっぱり中島は優しいね」
中島は不満そうな顔をしているけれど、
本当にそう思ってる。
その優しさに救われた人は一体何人いるのだろう。
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「今日はね、これからスーパーに行くの」
「スーパー?」
明日、土曜日はついにサッカー部の大会。
そして今日は前日の金曜日。
部活が終わったら、
差し入れを作るための材料を買いに行こうと思っていたのだ。
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「明日は彼氏が大会なんですよ、だから差し入れ作ろうと思って」
今から楽しみで、思わず笑みがこぼれる。
「彼氏って、知念?」
「うん、あれ?知らなかった?」
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「いや、知ってたよ。
いいなぁリア充、」
綺麗な瞳を揺らしながら何かを吹っ切ったように笑い、
そそくさと帰っていった中島。
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「ふふ。中島ならすぐに彼女できるよ、」
そう呟いて、
中島の後を追いかけるように道場を後にした。
……………
(※)皆中→弓道用語
一立ち(四射)中、全て的に当てること。
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美香 - 初めまして!めっちゃ知念君格好いいわ!完成おめでとうございます! (2018年1月31日 22時) (レス) id: 56b9cb16b3 (このIDを非表示/違反報告)
衣月(プロフ) - 知念担かつ弓道部員なのでこのお話すごくいいです!更新頑張ってください! (2018年1月7日 19時) (レス) id: 393bdf7cd9 (このIDを非表示/違反報告)
の ん(プロフ) - 読みましたよ、~!更新おつかれさまでした。もちろんです!ずっと応援してますよ!頑張ってください! (2017年12月31日 0時) (レス) id: 3167764a0b (このIDを非表示/違反報告)
もえあ(プロフ) - の んさん» 書き直すかわりにafterstoryを追加しましたので、よければ読んでみてくださいね(o^∀^o)ぜ、全部…!?わわわっ、嬉しい限りですー!ありがとうございます☆これからも応援お願いします! (2017年12月30日 23時) (レス) id: a6b7387403 (このIDを非表示/違反報告)
の ん(プロフ) - 察しがつきました ! 笑 そんなことないですよ!作品を読んでて知念担のわたしにとってはめっちゃきゅんきゅんしました!笑 もえあさんの作品すごく好きですべて読ませていただいているのでこれからも頑張ってください!長文失礼いたしました。 (2017年12月30日 18時) (レス) id: 3167764a0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もえ乃 | 作成日時:2016年6月4日 21時