参りました#33 ページ33
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「ねぇ知念くん」
仲直りした翌日、久しぶりに2人で一緒に登校する。
付き合い始めたばかりのころと同じドキドキが蘇るようで、
なんだか照れくさい。
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でも、会話が弾まない。
「なんか…機嫌悪くない?」
ムスッとした表情。
話しかけても返事をしてくれない。
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「…返事くらいしてよ」
こうやってすぐに拗ねちゃうのは、
めんどくさい女かな。
だけど、久しぶりに一緒に登校できて嬉しい分、
話しかけても無視されるのは余計につらい。
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「何で僕が不機嫌だと思う?」
ピタリと立ち止まって、
挑戦的な笑みを浮かべながら言った。
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「…え、っと」
きっと単純なんだと思う。
知念くんは意外と嫉妬深くて、可愛い一面もある。
だから不機嫌の理由もすぐに分かりそうなのだけど。
「………え、っと」
「まさか分からないの?」
ムスッとした顔がさらにムスッとして、
あぁ…こうやって私が不機嫌メーターをMAXにしているんだと、
申し訳なくなってしまった。
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「…知念く、」
「それ」
「?」
ハテナマークを浮かべていると、突然体を引き寄せられた。
驚きで上手くしゃべれないけど、
そんな私にお構いなしで知念くんは言った。
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「…どうしてAは、
僕を下の名前で呼ばないの?」
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びっくりした。抱きしめられた時よりもびっくりした。
なーんだそんなことか、
そう呟いた私に彼は追い打ちをかける。
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"侑李って呼ばないと、一生返事しないから。"
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分かった?と微笑むキミは、やっぱりずるい。
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「どうしても?」
「うん。無視されてもいいならそのままでも良いけど?」
…この悪魔め!
好きな人を呼び捨てにするなんて…。
私がそういうの苦手だって知ってるくせに。
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「…ゆ、ゆう」
「ほら、ちゃんと言って?」
本人を前にして呼ぶのはすごく恥ずかしい。
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でも無視されるのは嫌だ。もっと話したい。
「ほら、はやく」
余裕そうなのが、ちょっと悔しい。
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「…侑李、えっと、好きだよ」
ああぁ、私何言ってるんだろう。
余計なことまで口走っちゃった気がするんだけど気のせい?
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「…もう、かわいいなぁ」
その顔は少し赤みを帯びていた。
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美香 - 初めまして!めっちゃ知念君格好いいわ!完成おめでとうございます! (2018年1月31日 22時) (レス) id: 56b9cb16b3 (このIDを非表示/違反報告)
衣月(プロフ) - 知念担かつ弓道部員なのでこのお話すごくいいです!更新頑張ってください! (2018年1月7日 19時) (レス) id: 393bdf7cd9 (このIDを非表示/違反報告)
の ん(プロフ) - 読みましたよ、~!更新おつかれさまでした。もちろんです!ずっと応援してますよ!頑張ってください! (2017年12月31日 0時) (レス) id: 3167764a0b (このIDを非表示/違反報告)
もえあ(プロフ) - の んさん» 書き直すかわりにafterstoryを追加しましたので、よければ読んでみてくださいね(o^∀^o)ぜ、全部…!?わわわっ、嬉しい限りですー!ありがとうございます☆これからも応援お願いします! (2017年12月30日 23時) (レス) id: a6b7387403 (このIDを非表示/違反報告)
の ん(プロフ) - 察しがつきました ! 笑 そんなことないですよ!作品を読んでて知念担のわたしにとってはめっちゃきゅんきゅんしました!笑 もえあさんの作品すごく好きですべて読ませていただいているのでこれからも頑張ってください!長文失礼いたしました。 (2017年12月30日 18時) (レス) id: 3167764a0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もえ乃 | 作成日時:2016年6月4日 21時