参りました#32 ページ32
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お互いの思いを確認し合って仲直りした私達は、
しばらく屋上で話していた。
というより、ほぼ知念くんからの質問攻め。
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「Aは何で伊野ちゃんと突然仲良くしたの?」
「え、っと…それは」
言ってもいいのかな、作戦のこと。
「なに、言えないの?」
拗ねたような視線を送られて、良心が痛む。
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「それは、…知念くんを妬かせたかったから、です」
これを聞いた彼は何を思うかな。
どんなこと言われるかな。
そんな不安が頭を駆け巡る。
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「そんなこと知ってるよ、」
「…えっ?」
勇気を振り絞って言ったのに、呆気なく返されてしまった。
知ってるって、何を?どこから?どこまで?
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「僕が聞きたいのはそれじゃなくて、
何でその相手が伊野ちゃんなのかってこと」
頭が混乱している私をよそに、質問が重ねられた。
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何で、慧なのか。
言いづらい部分はあるし、全部話してもいいのか分からないけれど、
私が悪いことをしたのは確かだ。ここは包み隠さず全部言うべきだろう。
そう思った私は、
あの日の、図書館での出来事から丁寧に話すことにした。
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「えっと、怒ってますか?」
話し終えて一息つくと、
知念くんの顔が話始めた時よりも確実に怖くなっているのに気付いた。
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「怒るに決まってるでしょ、」
それだけ言ってそっぽを向く。
せっかく仲直りしたばかりなのに、
これはまずい。
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「で、でもね!慧は悪くないの!
提案したのは慧だけど、それに乗ったのは私だし、」
「庇うんだ」
「別にそんなんじゃ、」
悪い流れだ。このまま口論になっちゃうのかな…。
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「…ごめん、」
「え、」
知念くんから突然の『ごめん』
どうして、今それを?
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「Aや伊野ちゃんに怒ってるわけじゃないよ、
そもそも僕が、不安にさせなければよかったわけだし…」
だから自分が許せなくて、と言って笑った。
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「嫉妬深いし、独占欲強いし、またAのこと傷つけちゃうかもしれない。
でも、一日一回はAのこと笑わせるって約束する。
だから……こんな僕でもよければ、ずっと隣にいてくれませんか?」
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それって、
「なんか、プロポーズみたいだね」
顔を見合わせて笑った。
幸せって、こういうことだ。
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美香 - 初めまして!めっちゃ知念君格好いいわ!完成おめでとうございます! (2018年1月31日 22時) (レス) id: 56b9cb16b3 (このIDを非表示/違反報告)
衣月(プロフ) - 知念担かつ弓道部員なのでこのお話すごくいいです!更新頑張ってください! (2018年1月7日 19時) (レス) id: 393bdf7cd9 (このIDを非表示/違反報告)
の ん(プロフ) - 読みましたよ、~!更新おつかれさまでした。もちろんです!ずっと応援してますよ!頑張ってください! (2017年12月31日 0時) (レス) id: 3167764a0b (このIDを非表示/違反報告)
もえあ(プロフ) - の んさん» 書き直すかわりにafterstoryを追加しましたので、よければ読んでみてくださいね(o^∀^o)ぜ、全部…!?わわわっ、嬉しい限りですー!ありがとうございます☆これからも応援お願いします! (2017年12月30日 23時) (レス) id: a6b7387403 (このIDを非表示/違反報告)
の ん(プロフ) - 察しがつきました ! 笑 そんなことないですよ!作品を読んでて知念担のわたしにとってはめっちゃきゅんきゅんしました!笑 もえあさんの作品すごく好きですべて読ませていただいているのでこれからも頑張ってください!長文失礼いたしました。 (2017年12月30日 18時) (レス) id: 3167764a0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もえ乃 | 作成日時:2016年6月4日 21時