ツンデレ彼氏の妬かせ方〜Yuri.C〜

妬いてください#03 ページ3

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「季節の、花言葉」





土曜日の図書館は、平日に比べて人が多い。

勉強をする人、調べ物をする人…、目的は人それぞれ。




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「すげぇ静かだね」

「図書館だもん」




あんまりしゃべれないね、と困り顔で言う彼…伊野尾くんは、

私と同じ図書委員会に所属しているクラスメート。



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我が星川高校の図書委員会では、

3か月に1度『図書だより』を制作している。




委員会全体での制作ではなくクラス単位なので、

どのクラスの図書委員も楽しめるものを作ろうと張り切っている様子。



本の紹介、血液型占い等、テーマは自由。



私と伊野尾くんで今のところ出ている案は、

『花言葉』と『猫の種類』について。




それの参考になる本を探すために、

今日は伊野尾くんと図書館に来たのだ。





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花言葉についての本があるコーナーをうろうろ。


かわいらしい表紙を見つけて、

そっと開いてみる。



偶然目に留まった"桃"のページ。

その花言葉を見て、思わず笑みがこぼれる。




「私はあなたのとりこ、かぁ…」




まるで知念くんのことを想う私のよう。




私が彼女で良いのかな？って不安になるけれど、


あなたが微笑んでくれるだけで、

そんな思いは全部、払拭される。





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なのにどうして…、どうして冷たくするの…？




他の女の子には冷たくないのに、

彼女は私なのに…なんて、



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重い女は嫌われるから、

一方通行なこの思いを、今日も胸の奥に隠すんだ。

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