ツンデレ彼氏の妬かせ方〜Yuri.C〜

妬いてください#17 Yuri ページ17

.






.







部活が終わって、着替えて…更衣室から出てきた僕。

なんだろうか、このアウェイ感。




やっと家に帰れるー、って気を抜いていたら…なんなのアレ。




.




僕の目線の先には、Aと高身長の男が仲良く歩いている姿。


その男はどうやら相当な紳士のようで、

Aが小走りなのに気づいてスピードを合わせてあげていた。





.





「見せつけんなっつーの。

…………Aのバカ」





.





少しだけ近づく。

やっぱり、男の方は裕翔くんだ。




Aとは身長差がありすぎて大体予想はついてたけど。




.




.




足は無意識に、Aと裕翔くんの方へ向かっていた。




2人は一緒に……帰るんだ。

僕は誘えなかったのにな…、そう思うと悲しくなる。





.






気づかれないようにそっと、2人の様子を窺う。






.






終始笑顔を振りまいているAに少しの怒りを覚える。

僕には見せてくれないのに…って。




いや、違うか。

見せてはくれてるんだけど…僕が恥ずかしくて見れないだけか。






.






気づいたらAの家の近くまで来ていた。



案外あっさりと別れて、

そのあとはお互いに手を振っていた。





.






裕翔くんが見えなくなるまで家に入らないA。






.






無防備なその姿に、そっと近づいた。





「……彼氏以外の男と何してんの、A」


発せられた声は自分でもびっくりするほど冷たかった。






「え、知念くん……？」




驚いた表情で僕を見る。





.





ごめん、A。

また僕は、素直になれないみたい。





.





「他の男に媚び売って、何考えてるの？」





ごめんね、そんな顔、させたいわけじゃないのに。





.





今にも泣き出しそうなAは、静かに俯いた。

妬いてください#18→←妬いてください#16 Yuri

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す