ツンデレ彼氏の妬かせ方〜Yuri.C〜

妬いてください#08 ページ8

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「A〜」




ふわぁっと間延びした声が私を呼ぶ。



くるりと振り向くと、

案の定そこにいたのは伊野尾くん。



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でも今日はいつもと違う。



伊野尾くんの綺麗な髪に、可愛らしい花びらがついている。

いったいどこを歩いたらそんなものがつくのやら…。





「ちょっと動かないでね、

…きゃっ！」




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なんでしょうかこの状況。





花びらをとってあげようと思って伊野尾くんの髪へと伸ばした手。


しかしそれは見事につかまれ、

そのままグイッとひっぱられる。



そしてキス寸前の距離。




「ちょ、離して…」




握られてる手首が熱い。




「離しちゃったらもったいないよ…？」

「なんで、」




わかってないなぁ、とでも言いたげに私を見ると、

ちょうど私の後ろの方に視線を移す。




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「今、知念が見てるよ…怖い顔して」



ぼそっと耳元で囁く。

その瞬間、私の体温がグンと上がった気がする。






今になって伊野尾くんとの顔の近さを改めて実感したし、



それに……

知念くんが、見てるんでしょ…？





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すぐにでも振り向きたい。

そうすれば、また目が合うかな…なんて考えてしまう。




ねぇ、君は今、

どんな顔をしているの？

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