ツンデレ彼氏の妬かせ方〜Yuri.C〜

妬いてください#12 ページ12

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時間は流れ、部活は終わった。




「佐伯ー」



ポン、と肩に手を乗せて私を呼ぶ中島。

相変わらずさわやかだ。



私は部活で疲れて気力なんて残ってないのに。





「帰り道一緒だしさ、送ってくよー」


「え、」




いつもそんなこと言わないのに。

急にどうしたんだろう。




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「今日バレー部休みでしょ？ほら、三上さんってバレー部だし」


「あ！」



三上は碧衣の苗字。

部活の終了時間はほぼ同じなのでいつも一緒に帰っている。








その碧衣が今日はいない、ということは。




「私が帰り1人になるから…ってこと？」


外も暗いし危ないから、みたいな？




「そー、危ないし」

「ありがと、でも…」





迷惑じゃないのかな。中島ってモテるし彼女いそう。




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「心配しなくていいよ。俺、彼女いないし」


残念ながら、なんて苦笑いでそう言うと、




「はいはい、帰るよ」




スッと手を引かれた。



さりげなく繋がれた手に、

不覚にもドキッとしてしまったのは気づかないフリ。







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「ごめん、速かったね」



小走りの私に気が付いたのか、

形の整った眉を下げてペースを合わせてくれる。





「ふふっ、紳士だ」




そりゃモテるよね。

イケメンだし、非の打ちどころがないもん。




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「みんなに優しいわけじゃないけどね」

「…？」



苦笑いをしながらそんなことを言うのは、

なんだか意味深だった。





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「見せつけんなっつーの。

………Aのバカ」





知念くんに遠くから視線を送られていたことなんて、

知る由もない。

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