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・
「むしろ、呼んでくれてよかった｣
冷静になってから もうすぐ26時を回る時間に
呼んでしまった事を謝ると樹はそう言って、柔らかく笑った
私の部屋のドアを叩いていた男の人は
下の階の同じ場所に住んでいる人で泥酔して階数を間違えたらしい
怖がらせる意図が無かったことに少し安心するけど
独りの夜が少し怖くなった、かもしれない
「今日は、ゆっくり寝な」
「…｣
「A？｣
「ま、って」
”もうちょっと一緒にいて欲しい”
素直になるのって、いちばん難しい
樹のスウェットを遠慮気味に掴む指が、さっきとは違う意味で震えた
恐る恐る目線を上げると、樹と目が合って、
｢…きょもに車借りて来たから｣
｢ちょっとドライブ行こっか｣
ポケットから 車のキーを取り出して
私に背を向けた
・
寝静まった街は外灯だけが煌びやかで
車の中は 樹の趣味なのか、閑静な通りに似つかわない
テンポの早い洋楽が流れている
今は、心臓に響く重音が心地良い
「なんで俺の事、呼んでくれたの」
信号が赤になり、ゆるゆるとブレーキを踏む樹は
窓の外で刹那に通り過ぎる光たちを見る私に声をかけた
「なんかパニックで、気付いたら樹に電話してた」
「そっか、」
何故か分からないけど
目に入った番号を押したという言葉は、飲み込んだ
外灯が無い道に差しかかって、樹の表情が分からない
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鯖(プロフ) - 紺さん» コメントありがとうございます；； 紺さんのお話、以前から読ませていただいていたのでありがたいお言葉とっても嬉しいです･･･(；；) (2022年7月9日 23時) (
レス) id: d88ca561c4 (このIDを非表示/違反報告)
紺(プロフ) - 完結おめでとうございます！！！素敵なお話で、更新が細やかな日々の楽しみになってました！！！ (2022年7月9日 21時) (レス) @page44 id: 3f4dbcf23f (このIDを非表示/違反報告)
鯖(プロフ) - 七七盛さん» コメントありがとうございます！ 嬉しいお言葉(TT) これからも是非よろしくお願いします・・・！ (2022年5月22日 12時) (レス) id: d88ca561c4 (このIDを非表示/違反報告)
鯖(プロフ) - を。さん» ありがとうございます！嬉しいです(TT) (2022年5月22日 12時) (レス) id: d88ca561c4 (このIDを非表示/違反報告)
七七盛(プロフ) - テンポと会話の雰囲気が良すぎて一気に読みました！これからの展開が気になります！！鯖さんのペースでぜひ書きたいものを描いて欲しいです！楽しみ待っています！！ (2022年5月19日 20時) (レス) @page16 id: 1909a53904 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鯖 | 作成日時：2022年4月4日 19時
