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ベッドに寝かされた北斗さんは、されるがままに冷えピタをおでこに貼られたまま寝息を立てている。
私が外国人だと思っていた「ジュリーさん」は「おれ、じゅり」という呆気ない自己紹介で間違えだった事がわかった。
自室かのようにソファに行儀悪く座った樹さんは私の存在をやっと思い出したかのように「座れば？」と目の前の椅子を携帯で指さした。
「北斗のカノジョ？」
「いやいやいや、ただの客です」
「あーなんか言ってたな、弁当買いに？」
「用があって来たら、北斗さんが倒れてて」
「ふうん。何の用だったの？」
「あー……、ちょっと野暮用で……」
服を返しに来たなんて言ったら勘違いされそうだから濁したのに、更に樹さんは追求してくる。スマホから離されて合った目に少しヒヤリとして思わず背筋が伸びた
そのまま逸らされた目線は、…私の手に持っていた紙袋へ。
「それ。北斗の寝巻きじゃね？」
「…」
「は？マジで？そういうカンジ？(笑)」
「っちが！」
「あーマジか、北斗にもそういう関係が居るのか〜」
一気に顔が熱くなって、強く否定しようと立ち上がる。
「…樹」
ベッドから低い声が聞こえて樹さんと同時に振り返る。いつの間にか起きていた北斗さんが、じっとこちらを見つめていた。
「んだよ起きてたのかよ。どー調子は？」
「ん...、まあさっきよりは…」
まるで私なんて見えていないように、二人の世界で話を続ける。
非現実のようにボーッと様子を見ていると、北斗さんの視線が唐突に向けられてドキッとした。
「Aさん迷惑かけてすいません」
「無事でよかったです…」
「こんな遅い時間にごめんね、樹が送るから」
「ハ？嘘だろ？」
「...この前貸した7000円、返済期間1週間。延長。」
「……もちろんAちゃんのこと送ってくつもりだったよ！｣
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作者名：鯖 | 作成日時：2023年3月14日 15時
