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「大丈夫ですか！？.....熱｣
地面に倒れた北斗さんをなんとか抱き上げて近くの丸椅子まで誘導する。躊躇いなくおでこに手をあてると予想以上に熱が高い。
「救急車…！」と携帯を取り出そうとすると北斗さんは荒めの息を飲み込みながら私の腕を掴んで、首を振った。
「誰か、知り合いとか！彼女とか！お母さんとかでも！」
「ん、……じゅり」
「ジュリー！？私英語話せないですけど！」
携帯を半ば奪うようにして電話帳を開いても「ジュリー」なんて名前は見つからない。息が荒くて意識が朦朧としてる北斗さんには申し訳ないけど、耳元で大声を出す。
「ジュリーってどれよ！？」
そう言って目の前に画面を差し出すと薄ら目を開けてボタンをタップする、画面が切り替わって呼び出し中とコールが鳴った
「ん、何だよ…」
「…たすけて」
「は？...北斗？どうした？」
寝起きのような機嫌が悪そうな声で電話に出たのは思いがけず日本の男の人、しんどそうな声を聞いて目を覚ましたのか「ほくと？」と繰り返している。
当の本人はしんどそうに眉をひそめてまともな会話が出来そうにない。
「すいません、あの私……客なんですけど」
「…はあ？どういう状況？」
「いや取り敢えずココに、…弁当屋にすぐ来て貰っていいですか！？北斗さんが瀕死で！」
「瀕死？北斗が？」
「ハイ！いいんで来て下さい！お願いします！」
「は？｣
呆気に取られているジュリーさんはそのまま電話を切った。
大丈夫、来てくれる。いや来てくれる感じだったし。
赤くなった北斗さんの顔を心配気に見つめることしか出来なかった。
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作者名：鯖 | 作成日時：2023年3月14日 15時
