オレンジ色の好きな人

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Genki side


訓練終わりで休憩していると、突然なったスマホ。
相手は、幼馴染のAだった。
いつも電話なんてかけてこないのに……なんて思いながら出ると、様子がおかしい。
慌ててスピーカーにして、救助隊のメンバーに聞こえるようにした。




〈元気っ、たすけて、！火事なの！放火犯がいたの！元気、〉

蛯原「まじか、」

「A、場所わかる！？」

〈コンビニの近くのおっきい空き家、……。元気どうしよう、中に転校生がいるの、っ、！ねぇ元気、！〉

「今すぐ行く！そこでじっとしててよ！」

新堂「今通報があった、行くぞ！」

「やばい、Aが…」

風間「すぐ行ってあげよう。着いたら元気はAちゃんの隣にいてあげろよ。」

「はい！」




Aは完全にパニック状態だった。
電話越しにパチパチ火の粉の音がするから、近くにいるんだろう。
地域の方からの通報もあって出動すると、Aが一生懸命ドアを開けようとしていた。




蛯原「A大丈夫か！」

『恭介さん、！あの子が中に、っ、！ごめんなさいっ、！』

蛯原「なんで謝るんだよ…もう大丈夫だ。ちゃんと元気のところにいろよ」

元気「A、！」

『元気、！うわぁぁぁぁん、！っ、！ひっく、こわかった、…ぐずっ、』

元気「A、もう大丈夫だよ。蛯原さんが必ず助けてくれる！」




萌衣ちゃんが救助されて消火されるまで、Aは俺の腕の中でずっと泣き続けた。
犯人を見た、って言ってたし、多分萌衣ちゃんが閉じ込められたところを見てたんだろう。




『…っ、元気、』

「ん？」

『忙しいのに、ごめんなさい……』

「はぁ……A、ごめんじゃなくて？」

『……ありがとう。』

「Aを守るのは俺の役目だよ。謝ることない。怖かったのに電話してくれてありがとう。偉かったね。」

『っ、…げんきぃ、もっとギュー、』

「んはは、わかった。おりゃあっ！笑」

『痛い痛い痛い、！笑笑』




また泣きそうになりながらもっとしてって言うから、俺の最大限の力を込めて抱きしめてやると、やっと笑ってくれた。
もう泣かせたくなかったんだけどなぁ……。









　

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