9話 ページ10
「A！助けてなの‼」
『え、どうしたの⁉』
薬を作ろうと部屋に戻ればエマちゃんにがっちり手を掴まれて阻まれた。
「昨日何人かのサバイバーでお酒を飲んでたみたいなの。そしたら、皆二日酔いにうなされてるの…。お薬も足りないみたいだからAに作って欲しいの‼」
更に聞けば、ぼくが復活したのを喜んでどんちゃん騒ぎをした際にハメを外した結果こうなった…らしい。
なら尚更頑張らないとなぁ…。でも…出来るかな？
ぼくの薬は医療用の薬と言うよりか、魔法薬に近い。
魔法をかける方法が、薬を飲むか飲ませるか…的な感じ。ぼくはこのようなオカルトみたいな薬を作る専門みたいだから治療向きでは無いのだ。でも、やるっきゃ無ぇ‼
『わかった。じゃあ…中庭から…この植物取ってきて』
「わかったなの‼」
エマちゃんが庭師で良かった…。庭師ならそれなりに植物についての知識はあるだろう。何処に質の高い植物があるかはわかる筈。よし、こっちはこっちで準備をしよう。
ーーー
『とりあえず薬はできましたが、治療薬では無いので安静にして下さい』
青い顔をした皆さんに投与すると、一瞬で顔色が戻っていった。やった〜！成功‼
「凄いわ氷室さん。でも治療薬では無いと言っていたけど…何の薬を使ったの？」
『ぼくの常備薬の改造版です。あ、でもぼくはお酒を飲む訳じゃ無いですよ』
そう、頭痛薬や二日酔いの薬みたいなのはぼくは作れない。でもぼくにしか作れない万能薬はある。
効果・効能は一時的な身体強化、集中力促進、鎮痛、そして解毒など。まだまだあるけど割愛。試合中で生きるのはこれくらいかな。それは強力過ぎるが故に本来人に使ってはいけない、場合によっては劇薬と化す、副作用の強いあの薬。
それをぼくは何倍にも弱めて、自身で薬剤治験をして、副作用が出ない様に、成分の似た植物を使って「きもちいいお薬(改)」を作り上げた。ただ、人に知られてはいけないとあった為、調合の際にはエマちゃんに部屋から出て貰った。
「でも治療薬では無いから常備はしない方が良いわよ？」
『…これが無いとゲーム中、活躍出来なくなるんです』
虚弱体質に、常に点滴と繋がった身体、小さな足、薬に頼らないとぼくは全く何も出来ない。幸い薬剤耐性のある体質な為、副作用はぼくの場合なら軽度で済む。
「そう…でも乱用はしないようにね」
だがこの薬が後に大事件を起こす事など、今のぼくに知る余地は無かった。
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寧彩(プロフ) - イヴさん» そうみたいですね！でも夢主ちゃんは実は纏足されてる…みたいです。本来なら普通サイズになっていたと思われます (2020年8月9日 19時) (
レス) id: 28605b481e (このIDを非表示/違反報告)
イヴ(プロフ) - 夢主ちゃん足ちっちゃいんだw自分と一緒でビックリしたw20センチから成長しないのよね (2020年8月9日 18時) (レス) id: e486ddb9ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寧彩 | 作成日時：2020年6月21日 0時
