25日目 ページ28
なる程、彼がいつも居ない理由は誰よりも早めに来て朝食を食べて、早急に帰っていた為なのか。
生憎と私は突き放されたら逆に気になっちゃうタチの悪い性質(通称:光のコミュ症)も併せ持つ。私はフォークとナイフをテーブルに置き、驚いて立ち尽くすカールさんの方を向いて口を開いた。
『良かったらこれどうぞ！ 今出来上がったやつで、まだ手は付けてないですから！』
「…いや、僕は…」
『それにパッと食べた方が直ぐに戻れますよ？』
「…」
もしかして…だけど、人と関わるのが苦手なのかな？
まぁ確かに知らない人が作った食べ物は「食べて！」って言われても食べづらいよな…。固まってしまった彼と向き合っていたが、私の口は『あー…』と紡ぎ、目線を斜め下に向けた。
『…すみません！ 迷惑ですよね！』
くるっとパンケーキの方に身体を向けて、再びフォークとナイフに手をかけようとした瞬間、彼がこちらに若干震えた足どりで近づいて来た。
「…貰えますか？」
その一言の後、私は多分とんでもない笑顔になっていたかもしれない。確かめようがないからどんな顔だったか断定はできないのだけれど。
ーーーー
『…もう食べたんですか⁉』
「…はい」
私の分を作り終わる頃、カールさんはシンクに皿を入れていた。残されてはいなかった。
マジか！ちゃんと噛んでますか⁉ と言いたいのをグッと飲み込み、では食器片しておきますね！と私はスポンジに手を伸ばしたが、彼は伸ばした私の手を止めた。
「大丈夫です。僕がしておきます。」
『…？ でも…』
「冷めますよ、それ」
彼はそう言うや否やもう食器を洗い始めてしまった。
えぇ…そんな、いいのに〜…そういえばカールさんの分冷めてなかったかな？ (読者からみたら長そうなあの間は)作ってからあんまり間はなかったけど…ちょっと心配。
私がもふもふとパンケーキを頬張ると、食器洗いが済んだのか、足音が聞こえた。
「では、もう行きますね。」
『あ、はい！お粗末様でした！』
パンケーキを飲み込んでから私はかるく会釈した。
カールさんはちょっと視線を下に落とし、(マスクであまり聞こえないけど)何か呟いて帰ってしまった。
『…なんて言ってたのかな？』
まぁ、良い意味として解釈しておこう。私はカリッカリのベーコンを齧りながら彼の背を見送った。
ーーーー
おい！警戒心無しかよ〜！って思った方すみません…
弁当忘れたらクラスの子がわけてくれた的なノリで見て下さい
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もちこ - 作者さん、至れり尽くせり(？)で好きです() ぜひ夢主とイライちゃんの絡みを見たいです...お願いします...！ (2020年12月22日 1時) (
レス) id: 39ef54da9c (このIDを非表示/違反報告)
寧彩(プロフ) - すみれ＠自由人さん» ありがとうございます！ (2020年5月15日 10時) (レス) id: 28605b481e (このIDを非表示/違反報告)
すみれ＠自由人(プロフ) - このお話とても面白いです！ 好きです！← (2020年5月15日 6時) (レス) id: 87f53a63fa (このIDを非表示/違反報告)
寧彩(プロフ) - 翠柘榴さん» 納「！！…っ、僕も…です…」 (2020年4月11日 23時) (レス) id: 28605b481e (このIDを非表示/違反報告)
翠柘榴(プロフ) - イソップ君そういうところあるよね、可愛い。好きだよ（唐突な告白） (2020年4月11日 23時) (レス) id: 75b21b0769 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寧彩 | 作成日時：2020年4月7日 21時
