30 ページ30
「あのさ、今まで本当にごめん」
ばつが悪そうに頭を下げるショッピに私は慌てる。
『いや悪いのはショッピじゃないし、それに避けてた私も悪いから』
早口で返す私の言葉をあまり聞いていないらしい彼は言葉を重ねる。
「母さんの話もっと前に聞いとったらこんなことにならんかったし、」
埒のあかなそうな謝り合戦に終止符を打つために最終兵器としてミドリさんの話を切り出す。
『わかった、どっちも悪いってことにしてこの話終わりね。んで、ミドリさんのことなんだけどさ、』
まだ少し不満気なのを隠せていないショッピはお母さんと話し合ったことを教えてくれる。
「全面的に向こうが悪いってことで母さんがおばさんに話通して、俺らと関わりがないようにしてくれるらしいわ」
『関わりがないようにってどういうこと？』
「休校とか場合によっては転校とからしいけど」
そこまでするのは流石に違くない？過激派にもほどがあるけど
固まって絶句した私の顔色を窺うようにこっちを見るショッピに言葉を返さないとと我に返る。
『...え、そこまでしなくていいけど、休校も転校も要らないよ別に。ただ教室に会いに来ないとか、一緒にご飯食べてたのをやめるとかそのくらいでいいから、頼むからこれ以上大事にしないで』
伝わっただろうかとさっきのショッピと逆転して今度は私が顔色を窺う。
「それ俺も言った。けど魔女だって分かってながら契ろうとするのは御法度やのにそれを破ったからみたいなんで、おばさんが言ってきたらしいわ」
まじ？魔法界の戒律ばか厳しくない？
二人同時に溜息を吐いて、苦笑いを浮かべた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 406人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
天天(プロフ) - 好きです。杏夏さんの世界観っていうか書き方というか…ドストライクです！ありがとうございます。これからも頑張ってください！ (2022年10月10日 21時) (
レス) @page23 id: c861e4568e (このIDを非表示/違反報告)
なな - この話、面白いです！更新待ってます。これからも頑張ってください。 (2021年7月15日 18時) (レス) id: eb678d68cd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：杏夏 | 作成日時：2021年4月2日 22時
