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彼との約束は今からずっと前にかわしたもの。
幼稚園の卒園式を来週に控えたその日はたしか、最後の思い出作りに緑が綺麗な公園に来ていた。
目が届く所ならどこに行ってもいい、そう言われて私とショッピは野花が綺麗な草原の中を2人で駆けた。
他の子たちは先生と一緒に遊具で遊んでいて私たちの周りには誰も居なかった。
ふたりだけの世界
そう形容するのがふさわしいその空間は、ものすごくゆっくりと時間が流れているように感じて、幼心にこの時間が永遠であればいいのにと願った。
私が話をして、それに対して彼は手先を器用にうごかしながら相槌を打つ。
『なに作っとるん？』
｢ん、これ、Aにあげる｣
今よりもずっと小さな彼の手が差し出したのは野花が綺麗な花冠。
『！しょっぴくんありがとうねぇ！！』
くん付けで彼を呼んでいたのが酷く懐かしい。
無垢な笑顔で彼がくれた冠を頭にのせる。
ええよ、はにかみながら言う彼が眩しい。
なぁ、A
花冠にはしゃいでいる私を彼が呼ぶ。
｢魔法はAと2人の時しか使わへん。やから、大人になったら指輪もうてくれへん？｣
綺麗な紫の瞳を不安気に揺らしながら問いかける。
『うん！約束やからね？』
混じりけのない笑顔を見た彼は目じりを下げて微笑む。
｢うん、約束！｣
2人は指切りをして、仲睦まじそうに笑い合った。
遠い遠い記憶。
温かくて、愛おしくて、くすぐったい
大切な記憶。
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天天(プロフ) - 好きです。杏夏さんの世界観っていうか書き方というか…ドストライクです！ありがとうございます。これからも頑張ってください！ (2022年10月10日 21時) (
レス) @page23 id: c861e4568e (このIDを非表示/違反報告)
なな - この話、面白いです！更新待ってます。これからも頑張ってください。 (2021年7月15日 18時) (レス) id: eb678d68cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杏夏 | 作成日時：2021年4月2日 22時
