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驚いたような顔をしているミドリさんに失礼します、とだけ伝えて教室を出る。
2人は気付いていないようだったけど、教室中の視線はこっちに向いていたし、彼は私より彼女を選んだみたいだから。
あぁ、めんどくさ
飛び出してきた手前、引き返すのも格好がつかないからこのまま1限はさぼろうと、いい場所を探す。
2限からは選択授業だからド理系の彼と顔を合わすことはない。
『とりあえず保健室でも行くか』
ノックを3回して保健室のドアを開けようとする、と聞こえてきたのは保健教諭の優しい声じゃなくて、バタバタと慌ただしい足音と衣擦れの音。
それらを聞いて中でナニが起こっていたのかを察することが出来ないほど子供じゃないため、部屋に入らずに人が出ていくのを待つ。
それから少ししてメイクの濃い先輩が出てきて、パタパタと靴を鳴らしながら廊下を駆けていった。
『失礼しまーす...あ、おはようございます』
部屋に入って空いているベットを使おうとしてカーテンが開いているベットに腰かけようとすると、先客が顔を出した。
｢おはよ、もっと恥ずかしがったりせんの？｣
そう言ってはだけているシャツを直した彼は案の定というか、流石というか、鬱の兄やんでした。
『思われてるほど純情じゃないですよ、私』
少し笑いを含みながら言うと、鬱先輩は少し目を見開く。
｢そう言えば、最近ショッピくんと一緒に居らんよね？なんかあったん？｣
どいつもこいつも、口を開けばショッピ、ショッピってなに？
こっちが訊きたいけどね
『何でもないですよ、ただ隣に居れなくなっただけで』
｢？どういう事？｣
首を傾げる彼を置いて、自分の口から飛び出た言葉に自分が驚く。
いつからこんな考えになってしまったんだろう。
最初は純粋に彼の助けになりたかっただけなのに、いつから隣に居たいから彼の助けをするようになったんだろう。なんて自分勝手で独りよがりなんだ。
いやなんでもないです、苦笑いを込めて彼に返す。
人の雰囲気を察することに長けている彼は何も訊いてこなかった。
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天天(プロフ) - 好きです。杏夏さんの世界観っていうか書き方というか…ドストライクです！ありがとうございます。これからも頑張ってください！ (2022年10月10日 21時) (
レス) @page23 id: c861e4568e (このIDを非表示/違反報告)
なな - この話、面白いです！更新待ってます。これからも頑張ってください。 (2021年7月15日 18時) (レス) id: eb678d68cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杏夏 | 作成日時：2021年4月2日 22時
