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『今日のテスト、勉強した？範囲えぐくない？？』
手すりに掴まって外を眺める彼に話しかけた。
｢それなりにやった｣
眠そうに目をこすりながらもごもごと口を動かすのを横目に、ノートをめくる。
きっとそれなりとか言いつつ普通に遅くまで勉強していたのだろう。こいつはそういうやつだ。
『物理のとりあえず文字いろいろ使っとこ みたいな姿勢がいや』
｢そういうもんやから、慣れるしかないやろ｣
『そうだけどさぁ』
面白くないものは面白くないよ、そう言おうとして口を開いたのに響くのは私の声じゃない。
｢っうわ！！ぶつかるッ｣
バスの運転手さんが上げた声に視線を前方へ向けると、見えるのはこっちに逆走して来る車。
え！？衝突？？なんて思うことしか出来なくて、悲鳴の上がる車内で思考が止まっていると、彼は私の右手を取ってあいている自分の右手を少し動かす。
するとひとりでに浮き上がるバス。
そしてガゴンという音をたてて逆走している車の飛び越え、バスは着陸した。
車内に え？？浮いた？なんで生きてるの？という安堵と驚きが交じり合った声が広がる。
『...びっくりした。ショッピ冷静過ぎない？？』
｢朝から疲れる｣
たった今、人助けをしたヒーローだというのに、彼は心底どうでもよさそうに欠伸をする。
疲れるのはこっちも同じなんだけど なんて考えながら、流石魔女だなと思った。
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天天(プロフ) - 好きです。杏夏さんの世界観っていうか書き方というか…ドストライクです！ありがとうございます。これからも頑張ってください！ (2022年10月10日 21時) (
レス) @page23 id: c861e4568e (このIDを非表示/違反報告)
なな - この話、面白いです！更新待ってます。これからも頑張ってください。 (2021年7月15日 18時) (レス) id: eb678d68cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杏夏 | 作成日時：2021年4月2日 22時
