No.257 ページ17
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総「最近ばあさんはどうなんだよ？口うるさく言われてねぇの？」
「うん、たぶん呆れてるんだと思う」
総「………」
「どしたの？」
総二郎さんの部屋で二人。何でもない世間話をしていた。しかしふと真剣な表情になる総二郎さん。
総「お前…………俺になんか隠してることあるだろ」
「………え？隠してることって？」
総「そりゃ俺だって何もかもお前に話してるわけじゃねぇけどよ、なんか、すげえ大事な事なんじゃねえの？」
「………」
いつもなら、何も隠してないよ！って笑い飛ばせたのかもしれない。だけど、今逃げたらきっとこの先言えなくなる気がして、肯定とも取れる無言になってしまった。
総「………何隠してんだよ、ちゃんと言えよ」
「………………あのね、実は………」
言葉に詰まる私を、優しく見つめる瞳になんだか目頭が熱くなった。
「………A家の子供じゃないの」
総「………………は？」
「養子なの、私」
総「養子……………？」
総二郎さんの顔が見れなくて、俯いたまま話す自分は、なんて情けないのだとむかついた。だけど、言うと決めたのだから、洗いざらい全て話してしまわなければいけない。グッと握る拳が震えてるのが自分でもわかった。
「私は………拾われた子供なの」
総「拾われた………！？」
私の母親は子供が出来にくい体質で、結婚当初から、いつ出来るのかと祖母からちくちくと言われていたらしい。結婚してから1年、身ごもる気配は無く、途方に暮れた頃公園に捨てられたまだ生後4ヶ月の私を拾った。
父親と相談し、自分達の子供として迎え入れようと決めたが、祖母は猛烈に反対。どこの馬の骨ともわからない子供を自分家の孫として迎えるなんてあり得ないと。しかし反対を押し切り育てられた私は、もちろん祖母に可愛がられる事は無く、両親も気まずい思いをしていた。
しかし、私が10歳を迎えた頃、母親はついに念願の自分の子供を身ごもることとなり、それならば私は必要無く、捨てようかとも思ったが、10歳の娘が突然消えれば周りは不審がる為、止むを得ずそのままA家の子供として育てられ、今に至る。
「……………黙ってて、ごめんなさい」
総「…………」
あれほどどうでもいいと思っていたはずの婚約が、今は…………破棄になると思うと寂しく感じる自分がいる。こうなる前に、言ってしまえばよかったと、今更すぎる後悔をしても意味が無い。
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ゆいゆい - 初コメです！ ちゃんと送れているかな？ とても面白いです！更新楽しみにしてます (2018年7月16日 14時) (
レス) id: c2ded43cf6 (このIDを非表示/違反報告)
choco(プロフ) - あんちょらさん» ありがとうございます！最近遅れ気味ですが更新頑張ります！(^-^) (2016年8月23日 17時) (レス) id: 890dd4e01f (このIDを非表示/違反報告)
あんちょら(プロフ) - 初コメです！いつも更新楽しみにしています(o^^o) (2016年8月21日 1時) (レス) id: 27977cc5d9 (このIDを非表示/違反報告)
choco(プロフ) - マカロンさん» お気遣いありがとうございます！♪( ´▽｀)頑張って更新しますのでこれからもよろしくお願いします^ ^ (2016年8月11日 0時) (レス) id: 890dd4e01f (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - すっごく面白いです！続きが気になります！ 体に負担がかからない程度に更新頑張ってください！！ (2016年8月10日 23時) (レス) id: 0fcf472709 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：choco | 作成日時：2016年8月2日 2時
