No.215 ページ5
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総「おい、聞いたかよ？クッキーの話」
「あぁ、魚の網で焼いたってやつでしょ。ウケるよね」
総「魚の網だあ！？なんだそれ！」
「あれ？聞いてない？つくしん家オーブン無いんだって」
総「ありえねぇ……っ！！あいつそんなん自慢してたのかよ！」
どうやら総二郎さんはご立腹のようだ。聞けば早朝6時半に花沢さん家に上がり込んだ道明寺さんは、総二郎さんとあきらさんも呼び出し、クッキーの事を延々と自慢してきたらしい。なんて迷惑な話だ。しかし魚臭いクッキーでもそれ程までに喜んでくれるとは驚きだ。よっぽど嬉しかったのだろう。
総「あー、ねみぃ。寝ようぜ」
「ダメ。私この後稽古あるの、寝るなら帰るね」
総「なんだよー、連れねぇな……」
「じゃ、またね」
総「おー」
眠そうな総二郎を残し、Aは西門家を後にする。しかしその帰り道、運命のいたずらか、彼とばったり会ってしまった。
貴「A………」
「あ………こんにちは……」
貴「ははっ……こんにちはか……冷てぇな…」
「ごめん………」
貴「ちょっとだけ話さない？」
「あっ……稽古があるから…」
貴「5分だけ」
そう言われ、断れずに来てしまった公園。そこは二人でよく学校帰りに寄り道した場所だった。貴弘はブランコに座り楽しそうに漕いでいる。その笑顔はあの頃と何も変わらない。
貴「うわっ超懐かしくない！？」
「うん、そうだね」
貴「…………。俺さ、別れた時から今もずっと、Aのこと好きだよ」
「っ！………えっと、……その、……」
貴「返事はいらない。わかってるから」
「貴弘………」
貴「でも、たまにこうして会うのはダメ？」
「それは………」
どうしていいかわからなかった。今も好きだと言われて、少し喜んでしまったのは事実。でも自分には婚約者がいる。それに会うことで余計貴弘を傷つけてしまう気がして…………いや、自分が辛くなってしまうのが恐くて、素直にいいよと言えずにいた。
貴「……また会いに来るよ。嫌ならそう言って？俺も潔く諦めるからさ」
そう言った貴弘の顔が、恐くて見れなかった。きっと、悲しい顔をしてたに違いない。貴弘と別れ、歩く帰り道。さっきの言葉が頭から離れ無かった。自分はどうすればいい？誰か教えて欲しい。時計を見ると、丁度5分経ったところだった。
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choco(プロフ) - ふう。さん» ありがとうございます！更新頑張ります^ ^ (2016年8月3日 21時) (
レス) id: 890dd4e01f (このIDを非表示/違反報告)
ふう。 - 続きが凄く気になります！更新頑張ってください！ (2016年8月3日 17時) (レス) id: b4363f857a (このIDを非表示/違反報告)
choco(プロフ) - 沙希さん» ありがとうございます！そう言って頂けると頑張りがいがあります^ ^ (2016年7月31日 9時) (レス) id: 890dd4e01f (このIDを非表示/違反報告)
沙希 - 続き超きになります！更新どんどんお願いします (2016年7月31日 8時) (レス) id: 8f81495b1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：choco | 作成日時：2016年7月18日 2時
