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No.236 ページ26







「………ちっ、またいない……」




次の日の学校の休み時間のこと。またもつくしは黙っていなくなってしまった。一体どれだけ人を振り回せば気がすむのだあいつは。しかし探さなくともわかる。こういう時決まってつくしはあそこにいる。






つ「ねぇ、花沢類から道明寺に言って?滋さんのこと」


類「いやだ」


つ「え」


類「言って聞くような男かよ。それに第三者が立ち入る問題じゃねぇだろ」





非常階段の扉に耳を付けて聞き耳を立てれば聞こえてきた会話。やはりここにいた。どうやら滋さんのことを相談しているらしい。




類「くっつく時はくっつく。ダメな時はダメ。どうにもならねぇことだってあるんだよ」


つ「………」


「そうそう。第三者が立ち入るとロクなことにならないからね」


つ「……うん……そうだよね……………どわあ!!!!びびびっびっくりしたあ!!A!!」


「うるさいな!あ、こんにちは花沢さん」


類「ねぇ、また花生けてよ」


「別にいいですけど挨拶ぐらいしろや」




相変わらず花沢さんって変な人。出会ってから数ヶ月経った今でも、まともな会話をした記憶が無い。






滋「司!」


道「なんだよ。こんなとこまで来んなよ」







「えっ今のって滋さんの声?」


つ「えぇ!?なんでここに!?」


類「あれが滋?」





非常階段から見える中庭に、走る滋の姿。その先には立ち止まる道明寺。学校にまで入り込んで来るとは、二人の間に何かあったのだろうか。




道「帰れよ」


滋「いや!」


道「帰れ!!」


滋「やだ!!」







「………何してんだあの人達は」


類「あれが恋人同士?」


「普通をあの二人に当てはめちゃダメですよ。まともじゃないんだから」






どうやらあまりいい雰囲気では無さそうだ。喧嘩でもしたのか?もしかしてこれって修羅場?





道「何だよお前。いい加減にしねぇとまじで怒るぞ」


滋「………」






つ「ね、ねぇ……ちょっと緊迫してるよ?これ見てちゃ悪いんじゃ……」


類「いいんじゃない?別に」


「なんか面白そー」


つ「えぇ!?ちょっ二人ともっ!」





尾行でもして覗き見してるならまだしも、こんな学校で堂々と言い合いしてたんじゃ見られてたって文句は言えまい。






滋「キスしてよ」


道「っ………キス?」


滋「もう、つくしを好きじゃないって証拠見せて」





つ「……滋さん……!?」




滋さんの目から、一粒の涙が零れ落ちた。

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choco(プロフ) - ふう。さん» ありがとうございます!更新頑張ります^ ^ (2016年8月3日 21時) (レス) id: 890dd4e01f (このIDを非表示/違反報告)
ふう。 - 続きが凄く気になります!更新頑張ってください! (2016年8月3日 17時) (レス) id: b4363f857a (このIDを非表示/違反報告)
choco(プロフ) - 沙希さん» ありがとうございます!そう言って頂けると頑張りがいがあります^ ^ (2016年7月31日 9時) (レス) id: 890dd4e01f (このIDを非表示/違反報告)
沙希 - 続き超きになります!更新どんどんお願いします (2016年7月31日 8時) (レス) id: 8f81495b1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:choco | 作成日時:2016年7月18日 2時

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