No.212 ページ2
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美「あのっあれはNYで流行ってるジャズの前衛なんですよっ!彼女流行に敏感でっ!」
あきらの必死のフォローも、楓が耳を貸す様子は無い。表情を1mmも崩さず、まるで最初からわかっていたとでもいうように、こんなことだろうと思いました。と言い放つ。
楓「司さん。あなたどういうつもりですか?あなたは自分の立場を全然わかってないようね」
しかし道明寺もまた、こんな状況だというのに顔色を一つ変えない。
楓「とんだ社長令嬢だこと。お話にならないわ」
道「こいつは社長令嬢なんかじゃ無いですよ。そんなことはどうでもいいんです」
楓「っ、馬鹿を言いなさい!あなたはこの家の長男ですよ!?あんな虫みたいな女にうつつを抜かしてお父様に何と言えばいいの!?」
道「うるせぇなぁ。惚れてんだからしょうがねぇだろ」
「おぉ、さすが空気の読めない馬鹿……」
総「言っちまいやがった……」
類「ヒュウッ」
「ヒュウッじゃねーよ」
この重い空気の中、更には怒る鬼ばばを前にしてそんなことが言えるのは道明寺以外にいないだろう。つくしは道明寺の言葉に頬を赤らめ、呆然としている。
道「こいつ以外の女は考えられない。好きなんだよ」
その言葉に切れた楓は道明寺を引っ叩き、冗談も休み休みになさいっこれは命令です!と怒鳴りつける。
つ「あのっ!も、もうやめてください!あたし達はまだ別に…」
楓「出て行きなさい」
つ「っ……」
楓「さっさとお家にお帰りなさい。これは私共の家の問題です。あなたに会話に入る資格はありません」
冷たく刺さる言葉と目に、つくしが言い返せず黙っていると、椿が道明寺に車のキーを投げる。
椿「行きなさい。後のことは私に任せて」
楓「椿!?」
総「姉ちゃんそうこなくっちゃ!」
「かっこいい!椿さん!」
やはり椿はここぞという時にやってくれる。Aはつくしの背中をそっと押す。
椿「つくしちゃん、私は応援するわよ」
道「さんきゅっ!姉ちゃん!」
美「牧野っ荷物!頑張れよ!」
あきらがつくしの荷物をほれっと渡す間もつくしはこの状況について行けず、道明寺に腕を引っ張られ呆然とし、されるがままである。
楓「お待ちなさい!許しませんよそんなことはっ!」
楓の怒声を背に、道明寺はつくしを引っ張り逃げて行く。きっと大丈夫、味方はたくさんいる。二人の背を見つめ、Aはそう思っていた。
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choco(プロフ) - ふう。さん» ありがとうございます!更新頑張ります^ ^ (2016年8月3日 21時) (レス) id: 890dd4e01f (このIDを非表示/違反報告)
ふう。 - 続きが凄く気になります!更新頑張ってください! (2016年8月3日 17時) (レス) id: b4363f857a (このIDを非表示/違反報告)
choco(プロフ) - 沙希さん» ありがとうございます!そう言って頂けると頑張りがいがあります^ ^ (2016年7月31日 9時) (レス) id: 890dd4e01f (このIDを非表示/違反報告)
沙希 - 続き超きになります!更新どんどんお願いします (2016年7月31日 8時) (レス) id: 8f81495b1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:choco | 作成日時:2016年7月18日 2時