No.211 ページ1
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そして一方では類がつくしに小声でこんなことを言っていた。
類「何とかこの場を切りぬけろ。あの人は財界を牛耳ってる人物で、目をつけられた奴は捻り潰される。たとえそれが日本の総理大臣だって同じだ」
つ「ひ、捻り潰す………？」
この親にしてこの子ありとは正にこういうことかと思うつくし。
楓「そう。そういう家庭のお嬢さんなら楽器の一つや二つお出来になるんでしょうね」
もしや地雷を踏んでしまったのではないかと思うAだが、どっちにしろ無事この場を切り抜ける方法など、最初から無かったのだろう。
美「………牧野、ピアノか何か弾けるか？」
つ「ぴ？」
「…………こりゃダメだ」
楓「今日のこの日の為に1曲弾いて頂きましょうよ。ねぇみなさん」
楓の問い掛けに、知ってか知らずか会場の者達は口々に、すばらしいっ！是非お聴きしたいですわ！私ブラームスがいいっ！などと死ぬほど余計な事を言ってくれる。総二郎とあきらは頭を抱えていた。
「………死んでも変わってあげたくないぐらい可哀想」
総「お前な……他人事だからって冷てぇぞ」
「だって助けようが無いんだもん」
私だって助けてあげる方法が有るなら知りたい。でもどれだけ考えようとも助ける方法など無いのだから仕方がない。そしてつくしは、今更弾けないとも言えず、総二郎に何でもいいから弾けと言われ、ピアノの椅子に腰掛ける。
そしてこれだけつくしが追い詰められてるというのに、この騒ぎの発端の道明寺は何をしているのだとAが目を向けた先には、まるで、おうやったれやったれ！とでもいうような顔で見ている道明寺。何だあいつは。責任なんて微塵も感じて無さそうだ。
椿「お母様、よろしいじゃないですか。こんな大勢の前で可哀想だわ」
楓「……椿さん。道明寺家に嫁ぐ女性なら、いずれ社交界へ出て行かなければならないのよ。これぐらいの度胸が無ければどうするの」
椿の言葉を一蹴すると勝ち誇ったような顔で、さぁどうぞ、牧野さん。と促す楓。その会話を聞いていたつくしは、嫁ぐなんて冗談だろう。万が一道明寺を好きになったって、こんな人が姑ならまっぴらごめんだ。と思っていた。そして意を決し、鍵盤を叩く。
総「ま、牧野！！」
「………耳がおかしくなりそう」
つくしはどういうつもりか、鍵盤を適当に力一杯叩きつける。これならねこふんじゃったでも弾いた方がましだろうとAは思った。
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choco(プロフ) - ふう。さん» ありがとうございます！更新頑張ります^ ^ (2016年8月3日 21時) (
レス) id: 890dd4e01f (このIDを非表示/違反報告)
ふう。 - 続きが凄く気になります！更新頑張ってください！ (2016年8月3日 17時) (レス) id: b4363f857a (このIDを非表示/違反報告)
choco(プロフ) - 沙希さん» ありがとうございます！そう言って頂けると頑張りがいがあります^ ^ (2016年7月31日 9時) (レス) id: 890dd4e01f (このIDを非表示/違反報告)
沙希 - 続き超きになります！更新どんどんお願いします (2016年7月31日 8時) (レス) id: 8f81495b1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：choco | 作成日時：2016年7月18日 2時
