千紫万紅 ページ10
you side
あの後、幹部であるという3人に案内してもらい、無事に軍基地までやってきた。
名乗った時は、真実なのかどうか疑う視線に刺され続けていたが、鬱様にその話は兄に正誤確認すれば良いと言われ、2人の殺気は落ち着いた…気がする。
こんな何も出来なさそうなただの女に警戒する必要もないだろうに、兄に対する忠義がここまでなんて、妹として少し嬉しくなってしまう。
頬が緩んでいたのを目敏く見つけたヘルメットの彼は訝しげな視線をこちらに向け、冷たい声をかけてきた。
「何ニヤニヤしとるん」
疑問符も付かないようなその声に怯えるわけでも無く、何でも、と返せば更に少し不機嫌になった気がする。
隣を歩くのヘルメットの彼は警戒心が強いようで、表情を崩す事はない。
前を歩く長身の彼は胡散臭い笑顔を貼り付け、時折私に他愛の無いことを話しかけてくる。
そんな彼の隣を歩く鬱様は、先程からブツブツと仕事の愚痴を呟いている。
そういえば鬱様以外の彼らの名前を知らない。
思い立ったら即行動と兄様に教わってきた為、鬱様以外の2人に声をかけた。
「すみませんが、お名前をお聞きしても？」
と問えば、身長の高い淡い水色の髪を持つ彼が真っ先に口を開いた。
「チーノです！最近幹部になったばかりの新参者ですので頼りないかもしれないですけど、一応軍人なんで何かあったら頼って下さい！」
どこか含みのある笑顔を見せる彼はまだ私を信用できていないのだろう。
実際今の私と似たように幹部の知り合いと言って国にやってきた観光客もいただろうし、それは仕方がない。
兄様に会えば誤解も解けるだろうし、と楽観視していれば、ヘルメットの彼も渋々といった様子で口を開いた。
「ども、ショッピっす。あんたがグルッペンさんの妹やって確認できるまでは信用せんので」
やはり、信用してもらえていなかった。
しかし、そんな事は最初から想定内で別段驚くこともなく、対応した。
「はい、宜しくお願いします。ショッピ様、チーノ様」
少し歩いて門前まで来れば、隣を歩いていたショッピ様は前に出て鬱様を挟むようにチーノ様と逆側に立った。
ゆっくりと玄関を開くと御三方の後ろからでも分かる豪奢な作りに思わず目を輝かせてしまった。
固まった空気にようやく気付けば、前の御三方は動く様子もなく、思わず不安を口に出してしまった。
「あの…どうかしました？」
そう聞けば3人は左右に退き、様々な色の瞳を持つ男性達に見つめられた。
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スノードロップ(プロフ) - なめらかさん» 優しいお言葉有難うございます。更新早めて行けるよう努力します (2021年10月4日 13時) (
レス) id: 06ba610413 (このIDを非表示/違反報告)
なめらか - 読みやすくて続きが気になって一気に読んでしまいました…！続き楽しみにしてます！ (2021年10月3日 23時) (レス) @page12 id: bcf5f4df92 (このIDを非表示/違反報告)
スノードロップ(プロフ) - 雪さん» 有難うございます。更新が早くなるよう、頑張っていきます (2021年9月22日 22時) (レス) id: 06ba610413 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 好きです！続き楽しみに待ってます！ (2021年9月20日 14時) (レス) id: 4b6a02972f (このIDを非表示/違反報告)
スノードロップ(プロフ) - 銀狐さん» 温かい言葉を有難うございます！頑張らせていただきます！ (2021年9月14日 17時) (レス) id: 06ba610413 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スノードロップ | 作成日時：2021年9月13日 1時
