出迎えの準備 ページ6
syp side
グルッペンさんに妹がいるという衝撃の事実が発覚して5日。
俺はチーノと大先生、まあいわゆる鬱軍団で街に繰り出していた。
理由はグルッペンさんの発した「出迎えてやってくれ」という言葉。
グルッペンさんの妹を出迎える準備をする為に、大先生が買い物係に任命された。
しかし、この人1人で街に放るとそこらの女に絡んで、まともに買い物もして来ないと分かりきっているトントンさんに本日休暇の俺とチーノがお目付役として捕まったのだ。
俺は、勿論手当は出すから、というトントンさんの甘い誘惑に嵌まったチーノによって強制的に買い物に参加させられた。
「んで、何買うんすか？」
先ほどから当てもなく歩いているようにしか見えない大先生に、俺は呆れて声をかけた。
「あ〜、グルちゃんに何が好きなんか聞いとけば良かったな」
どうやら、何も考えていなかったらしい。
はぁ、と息を吐いて、適当に甘味でも買って帰ることを提案する。
帰り次第書類仕事が待っている大先生は、少しでも時間をかけようと寄り道を提案した。
しかし、早々に軍に帰って自室でゆっくりとしたい、俺とチーノは大先生を連れて街で有名なケーキ屋に引っ張っていく。
ぶつぶつと文句を言い続けながら引っ張られていく大先生は酷く滑稽だった。
「そういやチーノ、出る前にトントンさんに何か頼まれとったやろ？あれはええんか？」
「あー、ええよ。グルッペンさんが甘味が無いって総統室で暴れとるから、ケーキか何か買って来いって言われただけやから」
あの人とうとう甘味の有る無しだけ暴れるようになったんか。
これはますますあの人と血の繋がった妹に会うのは気が引けるな。
トントンさんら辺はもう、疲労で倒れるかもしれへんな。
「いらっしゃいませ〜！」
元気の良い店員の声に導かれるようにショーケースの前までやって来る。
こんな所に男3人は少々キツいものがあるが、一応この国の幹部として名前や顔は知られている為、変に俺たちを訝しむ視線は感じない。
しかし、それと気持ちは比例するわけではなく、俺はどこか、居心地悪く感じてしまった。
何気なく当たりを見渡せば、テーブル席に着いてケーキを食べながらこちらをチラチラと見る若い女性が数組と、俺たちと同じようにショーケースを覗き込む女性が1人いた。
女性は俺よりも濃い茶色のウェーブのかかった髪をしていて、角度的に顔は見えなかったが、多分自分と同じくらいだろうという事は伺えた。
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スノードロップ(プロフ) - なめらかさん» 優しいお言葉有難うございます。更新早めて行けるよう努力します (2021年10月4日 13時) (
レス) id: 06ba610413 (このIDを非表示/違反報告)
なめらか - 読みやすくて続きが気になって一気に読んでしまいました…！続き楽しみにしてます！ (2021年10月3日 23時) (レス) @page12 id: bcf5f4df92 (このIDを非表示/違反報告)
スノードロップ(プロフ) - 雪さん» 有難うございます。更新が早くなるよう、頑張っていきます (2021年9月22日 22時) (レス) id: 06ba610413 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 好きです！続き楽しみに待ってます！ (2021年9月20日 14時) (レス) id: 4b6a02972f (このIDを非表示/違反報告)
スノードロップ(プロフ) - 銀狐さん» 温かい言葉を有難うございます！頑張らせていただきます！ (2021年9月14日 17時) (レス) id: 06ba610413 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スノードロップ | 作成日時：2021年9月13日 1時
