食堂 ページ23
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彼女がこの国に戻って来て、数週間が経ったが、この軍基地の広さには未だに慣れないらしい。
というより、先日の俺との夜間見回り以外では、幹部棟にほぼ缶詰状態で働き続けていた為、慣れようにも慣れる事が出来なかった、の方が正しいのだと。
しかし、いつまでもそのままではいけないし、何より今後もここで生活して行く事を考えたら、自分が寝泊まりする場所の間取りぐらい知っていた方が良いと考えたらしい。
「そういえば一つ質問なのですが」
ちょうど良い時間になり、食堂まで歩いていれば、Aさんが話しかけてきた。
「どうしたの？」
「会議室が多くありましたが、幹部様方は総統室で会議をされていますよね？適した場所があるなら会議室の方がやり易いのでは？」
あぁその事か、と少し身構えていた肩をゆっくり下ろす。
「前は会議は会議室で行ってたんだけどね。幹部だけの話し合いってなると、結構外に漏らせない機密事項とかあってさ。盗聴や盗撮のされる心配のない一番安全な場所が総統室だっただけなんだよね」
どこよりも警備は硬いし、と付け加えれば納得したように深く頷いた。
「まあ最近は会議室まで行くのが面倒って理由になりつつあるけどね」
そう言えば、彼女は口元に手を添えて目を細めながら「そうなんですか」と笑った。
肩を小刻みに揺らしてクスクスと笑っている姿は、どうしてもグルッペンとは重ならない。
この兄妹はつくづく似ていないようだ。
食堂に付けば部隊１つ分程度の人数が数人ずつ集まって談笑をしながら食事をしていた。
それを流し見しながら、いつもながらに豊富なメニューを見て昼食を決める。
「天ぷら定食で」
「私はうどんをお願いします」
俺が食堂を切り盛りする料理人に告げれば、Aさんも続けて注文をする。
ここの料理人は手際が良く無駄な動きが少ないので、料理は比較的早く出てくる。
料理を受け取って席に着けば、Aさんが自身の頼んだうどんを見ながら呟いた。
「日本食なんて、珍しいものがありますね。…ん、美味しい」
「俺が日本出身だからね」
「ああ、確かに日本人の特徴まんまですもんね。特に年齢を聞いた時は驚きましたし。日本人はやっぱり実年齢より若く見えますね」
箸の使い方やうどんの食べ方からして、もしかしたらAさんは日本に行ったことがあるのかもしれない。
彼女はうどんを上手く啜りながら俺を一瞥し、すぐにうどんに視線を戻した。
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スノードロップ(プロフ) - なめらかさん» 優しいお言葉有難うございます。更新早めて行けるよう努力します (2021年10月4日 13時) (
レス) id: 06ba610413 (このIDを非表示/違反報告)
なめらか - 読みやすくて続きが気になって一気に読んでしまいました…！続き楽しみにしてます！ (2021年10月3日 23時) (レス) @page12 id: bcf5f4df92 (このIDを非表示/違反報告)
スノードロップ(プロフ) - 雪さん» 有難うございます。更新が早くなるよう、頑張っていきます (2021年9月22日 22時) (レス) id: 06ba610413 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 好きです！続き楽しみに待ってます！ (2021年9月20日 14時) (レス) id: 4b6a02972f (このIDを非表示/違反報告)
スノードロップ(プロフ) - 銀狐さん» 温かい言葉を有難うございます！頑張らせていただきます！ (2021年9月14日 17時) (レス) id: 06ba610413 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スノードロップ | 作成日時：2021年9月13日 1時
