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「おはようございます、ひとらんらん様。朝早くから有難うございます」
いつものように白いブラウスと黒のパンツスーツを履き、長めの髪を珍しく結んでいる彼女は、ゆっくりと頭を下げた。
「今日は俺、どうせ休日だしね。Aさんこそ、予定とか無いの？」
「はい。今日は兄から休みをもぎ取って来たので問題ありません」
そう言って笑うAさんは満面の笑みを浮かべている。
Aさんはここに来て2週間、休みなく働いており、我が職場ながらブラックもいいところであった。
「ここは俺が管理してる畑と馬小屋だよ。うちの軍は馬を使うことはないから、ここにいるのは俺の愛馬だけなんだけどね」
「立派な畑ですね。まさか、軍基地内にここまで立派なものがあるとは…」
驚いた様子でしゃがみ込み、畑を興味津々といった様子で見つめているAさん。
何を植えてあるのか一つ一つ教えれば、珍しいものでも見たかのように畑から目を離さなかった。
「そんなに畑に興味があるとは思わなかったな」
「この国で畑を見たのは初めてでしたので。私が出て行く前は、この国の農業は気候の問題でどうしても南中心でしたし」
なるほど、確かに北側に位置する貴族街で育ったならば、畑など見る機会はなかっただろう。
彼女の兄である我らが総統も視察で南の地に行った際など、片手で数える程しか見たことはなかったと言っていた。
グルッペンはそれほどではなかったが、Aさんは畑を観察するのに熱心なようで畑の中をじっくりと見ている。
「来たくなったらまた来ればいいよ。外道丸と顔だけ合わせておいて、次の場所に行こうか」
「お気遣い有難うございます。仕事の合間に寄らせて頂きます。ところで、外道丸とは？」
「あそこにいる俺の愛馬だよ」
馬小屋でこちらを見つめていた外道丸の方を示す。
Aさんに馬は平気か問えば、馬術で触れ合ったぐらいだが決して苦手ではないとのこと。
「兄と違って私には馬術の才能は全くなくて、よく落馬してまして…。それを見た両親に数回でもう危険だからやめておけとまで言われました」
カラカラと声を出して笑う彼女の語る昔話に心が温まった。
「外道丸様。これから宜しくお願いしますね」
馬にまで敬語を使って話す彼女にそれを指摘すれば、だってひとらんらん様の大事な馬でしょう、と返されてしまった。
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スノードロップ(プロフ) - なめらかさん» 優しいお言葉有難うございます。更新早めて行けるよう努力します (2021年10月4日 13時) (
レス) id: 06ba610413 (このIDを非表示/違反報告)
なめらか - 読みやすくて続きが気になって一気に読んでしまいました…！続き楽しみにしてます！ (2021年10月3日 23時) (レス) @page12 id: bcf5f4df92 (このIDを非表示/違反報告)
スノードロップ(プロフ) - 雪さん» 有難うございます。更新が早くなるよう、頑張っていきます (2021年9月22日 22時) (レス) id: 06ba610413 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 好きです！続き楽しみに待ってます！ (2021年9月20日 14時) (レス) id: 4b6a02972f (このIDを非表示/違反報告)
スノードロップ(プロフ) - 銀狐さん» 温かい言葉を有難うございます！頑張らせていただきます！ (2021年9月14日 17時) (レス) id: 06ba610413 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スノードロップ | 作成日時：2021年9月13日 1時
