いつもの流れ ページ3
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トントンと並んで、総統室の重い扉をゆっくりと叩く。
重厚な佇まいのその扉を開けたら、いつものようにグルッペンが甘味でも食って、仕事をサボっていてトントンに粛清される。
そこまでがいつもの流れで、俺は今日もどうせその一連のやりとりを行うのだろうと思っていた。
だが、中から声が聞こえ扉を開ければ、グルッペンは席に着いていて、一人怪しくほくそ笑んでいた。
いつも机の上に鎮座しているココアやケーキの姿が無いことに少し違和感を覚えた(いやそもそも総統室で甘味を食べてサボっていること自体が問題なのだが…)。
そしてまあ、当たり前のように仕事はしていなかった。
「グルさん。その手紙何や？俺は確認しとらんぞ」
一人、物思いに耽っていると、トントンが低い声でグルッペンに話しかけた。
ふと、机を見てみれば見覚えのない開封済みの白い封筒が見えた。
その中に入っていたであろう白い便箋2枚は、机の上に丁寧に置かれていた。
「…いや…信頼できる奴やし…」
グルッペンがトントンの言葉に吃りながら返せば、トントンは相棒の粛清剣をゆっくりと構えた。
「は？その信頼できる奴を装っている可能性は考えないんですかねぇ？」
気付けば、いつものようにグルッペンはトントンに叱られており、床に正座をしていた。
しかしその手はそのまま、空を切った。
勢いよく開け放たれた扉、その先にいたのは狂犬と呼ばれる2人組だった。
この2人が一体ここに何の用なのか、と少し思案すれば、更にその2人の後ろから出てきたオスマンに声をかけられた。
「大先生、どこいくめう？」
そこで俺はようやく自分がこの部屋に会議の為にやって来たのだと思い出した。
しかし、そんなことを口にすれば、また無能やら何やらと怒られるので、その言葉はしっかりと心の中で揉み消した。
「あれの流れ弾が来る前に避難しとこうと思っただけや」
そう言いながら、自身の後ろで未だに行われているトントンの説教を指差した。
3人はようやくその様子に気付いたらしく、ああ、と冷めた目をグルッペンに向けた。
およそ、国のトップに向ける目では無いが、これがいつもの俺たちである。
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スノードロップ(プロフ) - なめらかさん» 優しいお言葉有難うございます。更新早めて行けるよう努力します (2021年10月4日 13時) (
レス) id: 06ba610413 (このIDを非表示/違反報告)
なめらか - 読みやすくて続きが気になって一気に読んでしまいました…！続き楽しみにしてます！ (2021年10月3日 23時) (レス) @page12 id: bcf5f4df92 (このIDを非表示/違反報告)
スノードロップ(プロフ) - 雪さん» 有難うございます。更新が早くなるよう、頑張っていきます (2021年9月22日 22時) (レス) id: 06ba610413 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 好きです！続き楽しみに待ってます！ (2021年9月20日 14時) (レス) id: 4b6a02972f (このIDを非表示/違反報告)
スノードロップ(プロフ) - 銀狐さん» 温かい言葉を有難うございます！頑張らせていただきます！ (2021年9月14日 17時) (レス) id: 06ba610413 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スノードロップ | 作成日時：2021年9月13日 1時
