自己紹介 ページ12
緊急招集をかけられ、総統室に集まった幹部の面々。
先程の現場に居たものや、その様子を監視カメラから確認していたロボロ以外の数名の幹部はまだ現状の把握ができていないでいた。
何しろ、グルッペンと向かい合い、嫌味を飛ばし合う女がいるのである。
軍基地に唯一出入りを許されている女性は数少ない女兵士とメイドくらいなものであり、それらは皆揃いの軍服やメイド服を着用している。
そのどちらも着用せず、なおかつグルッペンの威圧に負けず面と向かって話し合える女である。
「今は一国のトップという立場なのですから、それなりの態度でいて頂かなくては困ります。甘味ごときで暴れないで下さい。みっともありません」
「甘味をごときと言うな！お前は甘味の良さを知らんからそんな事が言えるんだ！」
「甘味の良さ云々の話ではございません。とにかく！甘味が欲しいのであれば、それ相応の態度を取られて下さい。何も禁止だなんて言っていないでしょう」
内容は実にくだらないが。
その様子を見ながら幹部全員が集まった事を確認したトントンはようやく言い争いを止めに動いた。
「とりあえずその話は後や。続きは自己紹介を済ませてからにしてくれや」
口論をやめ他の幹部を認識した2人は、姿勢を正した。
幹部たちへ注がれる2人の目は燃える血のように紅く、射殺さんばかりの威圧感を持っていた。
そっくりな2人の目にあの場にいた幹部はなるほど、と納得したように頷いた。
「紹介する。俺の妹のAだ」
グルッペンが先ほどまで自分が争っていた女を指しながらいう。
その言葉に驚愕したあの場にいなかった幹部達は首がもげそうな勢いでグルッペンからAに視線を移した。
「皆様、お初にお目にかかります。A・フューラーと申します。兄がいつもお世話になっております」
丁寧に頭を下げたAに、全員の視線が突き刺さる。
その目は好奇や驚きの色が多く含まれていて、先ほどまで警戒していた紫の彼でさえ、疑惑の視線は向けていなかった。
Aはその視線を物ともせず涼しい顔を崩さない。
グルッペンはその空気を壊すように声を発した。
「Aには俺の補佐として仕事を手伝ってもらう」
そんなグルッペンの突然の発言にこの場の者は戸惑いを隠せなかった。
しかしそれは、幹部だけではなかった。
名を呼ばれたA自身もそんな事は初耳で目を見開いており、開いた口が塞がらないようだった。
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スノードロップ(プロフ) - なめらかさん» 優しいお言葉有難うございます。更新早めて行けるよう努力します (2021年10月4日 13時) (
レス) id: 06ba610413 (このIDを非表示/違反報告)
なめらか - 読みやすくて続きが気になって一気に読んでしまいました…！続き楽しみにしてます！ (2021年10月3日 23時) (レス) @page12 id: bcf5f4df92 (このIDを非表示/違反報告)
スノードロップ(プロフ) - 雪さん» 有難うございます。更新が早くなるよう、頑張っていきます (2021年9月22日 22時) (レス) id: 06ba610413 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 好きです！続き楽しみに待ってます！ (2021年9月20日 14時) (レス) id: 4b6a02972f (このIDを非表示/違反報告)
スノードロップ(プロフ) - 銀狐さん» 温かい言葉を有難うございます！頑張らせていただきます！ (2021年9月14日 17時) (レス) id: 06ba610413 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スノードロップ | 作成日時：2021年9月13日 1時
