8ー貴女sideー ページ9
次の日、長月夜は私に話しかけてこなかった。
これでゆっくりしていられる。
ほっとしている。
窓の外を見ると、また飛行機が飛んだ。
教室の中から飛行機雲のあとをそっとなぞる。
兄さん。私、ちゃんと妹らしく出来てたら良かったのに。
ごめん。
何も出来なかった私に腹が立つ。
私は自分が嫌いだ。
むかつくなぁ。
そっと目を閉じる。
響「母さん、父さん、A、行ってきます。」
母「忘れ物はない?大丈夫?」
響「うん、大丈夫。何かあっても誰かに助けてもらうよ。」
助けてもらえなかったじゃん。
父「母さん、慌てすぎだよ。心配なのはわかるが…」
母「え、えぇ、そうね。……気をつけて。」
響「はい、行ってきます。」
待って、行かないで。
兄さん━━━━。
目を覚ますと、一時限目が終わっていた。
夜「……あの、西宮さん、大丈夫?うなされてたけど」
話しかけてこないと思ってたのに。
貴女「あんたに関係ないでしょ。
…あと、さん付けやめて。Aでいい。」
夜「う…ごめん。
じゃあ、俺のことは夜って呼んでよ。
長月夜って呼ばなくていいから。」
貴女「……ん。」
こいつと出会ってから、昔のことが頭の中に出ては消える。
迷惑なやつだな、本当に。
31人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りな - 楽しみ (2022年5月22日 10時) (レス) @page27 id: 50ac0cd8e0 (このIDを非表示/違反報告)
やましたみう(プロフ) - また、素敵な作品をありがとうございます!!続き楽しみにしてます.゚+.(´∀`*).+゚.!! (2015年12月30日 22時) (レス) id: b8b8535e12 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時:2015年12月28日 13時