7ｰ貴女sideｰ ページ8
なんで一人で歌わされなきゃいけないんだか。
めんどくさいから出てきちゃった。
昔は、ちゃんと歌えたんだよ、私だって。
やっぱり屋上は誰もいなくて落ち着く。
これからは音楽はここでサボろうかな。
なんて考えてたら扉が開いた。
誰だよ、邪魔しに来たの。
夜「に、西宮さん、いますか…？」
なんで来たんだ。
てか、なんでここってわかったんだろ。
貴女「はいはいいますよ。なんなの、邪魔なんだけど。」
夜「…ごめん。…ちょっとだけ、ここいてもいいかな。」
貴女「……いいけど、さっさと帰ってよね。」
本当はちょっともいてほしくない。
まぁ、仕方ないか。
夜「…西宮さんって、なんで、音楽が嫌いなの？」
貴女「…は？」
突然何を言い出すかと思ったら、これか。
貴女「あんたが聞いたところで何になるの。」
夜「関係ないのは知ってるけど、気になる、っていうか…」
貴女「めんどくさい。……教えてあげてもいいけど、私、重たい空気とか嫌いだからね、先に言っとくと。」
夜「う、うん。」
貴女「私には三年前まで響(ひびき)っていう兄がいたの。
兄さんはトランペットと声楽が得意で、毎年のように世界大会に出るくらいうまかったの。
その時も、そんなもんだって思ってた。
兄さんの乗った飛行機がさ、事故にあって海に墜落した。
その飛行機に乗ってた人は全員死んだ。
なんで兄さんがそんな目に合わなきゃいけないの？
世界大会のせい？
違う。
音楽のせいだ。
音楽が、兄さんを殺した。
音楽が憎い。怖い。
そう思ってからは、楽器の前に立てなくなってた。
楽譜すらも見れなくなってた。
ただ、それだけだよ。」
なんでこんなこと話さなきゃいけないんだろう。
あの日から、飛行機も乗れなくなって、笑顔もできなくなって、周りから人がいなくなって。
あの日がなかったらよかったのに。
夜「…そっか。」
貴女「同情とか、そういうのいらないから。
私の気持ちも知らないくせに、うなづいたりしないでよ。」
私は、腹が立った。
わかってなんてないのにわかったとか言う。
私は、そういうやつが、嫌いだ。
音楽と同じくらい、嫌いだ。
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りな - 楽しみ (2022年5月22日 10時) (
レス) @page27 id: 50ac0cd8e0 (このIDを非表示/違反報告)
やましたみう(プロフ) - また、素敵な作品をありがとうございます！！続き楽しみにしてます.ﾟ+.(´∀｀*).+ﾟ.！！ (2015年12月30日 22時) (レス) id: b8b8535e12 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2015年12月28日 13時
