14ー貴女sideー ページ15
今日が兄さんの三回目の命日。
街を歩いているとどこからでも聞こえてくる音。
まだ怖いよ。
音が重なって音楽になる。
なんで、なんで人々は音楽を聴いて笑っていられるの?
周りの人まで怖いよ。
貴女「兄さん…」
街を歩く人々が怖い。
もう嫌だ。
音なんてなければいい。
周りの人の笑顔が邪魔だ。
音楽のせいで、兄さんは…
気がついたら目から涙が出てきた。
私、泣いてる?
焦って下を向くと、アスファルトに涙のしずくが落ちた。
じわっと広がるそのシミを見ていると、涙が止まらなくなって、立ち止まってしまった。
駅の近くなのに止まってたら、邪魔だな、私。
退きたいのに足が動かない。
自分が悪いのに兄さんも泣いてないのになんで私、泣いてるんだろ。
貴女「ほんと…馬鹿だよね。」
無理矢理笑ってみようとしても、口角が上がらない。
笑えないな。
ああ。
彼がいてくれたらいいのに。
貴女「…夜っ……」
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りな - 楽しみ (2022年5月22日 10時) (レス) @page27 id: 50ac0cd8e0 (このIDを非表示/違反報告)
やましたみう(プロフ) - また、素敵な作品をありがとうございます!!続き楽しみにしてます.゚+.(´∀`*).+゚.!! (2015年12月30日 22時) (レス) id: b8b8535e12 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2015年12月28日 13時