変わらない ページ44
翌日。
｢アクシアさん…！｣
前を向けるようになったのか、早朝、アクシアさんは晴れやかな顔で玄関に立っていた。
｢あぁ、Aちゃん｣
｢アクシアさん、行くんですか…？｣
｢うん。前に進まないとね｣
出かける支度をしたアクシアさんは私に笑いかけた。
今のアクシアさんなら、きっと大丈夫だ。
そう思って私も笑顔で応える。
｢行ってらっしゃい｣
｢うん！行ってきます｣
まだ他のみんなは起きていないので、静かに出るアクシアさん。
彼の心の中で何かが変わったのなら、それはいい事だ。
｢アクシア君、訓練に行ったんですか？｣
耳元で優しい声がした。
｢お、おはようございますオリバーさん！｣
｢うん、おはよう｣
長身を傾けて私の耳元で訊ねたオリバーさんは、つい大声を出してしまった私に対して、人差し指を立てながら小声で挨拶をする。
｢アクシアさん、とても晴れやかな顔をしていたんです。きっと大丈夫ですよね！｣
｢…だといいんですけどね｣
オリバーさんは意味深な言葉を発した。
私はその言葉の意味に気づくことが出来なかった。
その夜。
｢アクシア君、遅くないか？｣
｢やっぱり行かせない方が良かったんじゃ…｣
｢今はとりあえず、アクシア君の帰りを待ちましょう｣
｢…｣
訓練生が帰る時間を過ぎても、アクシアさんは帰ってこなかった。
私達はアクシアさんが心配で、こうして彼の帰りを待っている。
ガチャッ
｢！｣
ドアが開く音。
一目散に駆け出したのは、ローレンさんだった。
｢アクシア！｣
私達も後を追って玄関に向かう。
｢アクシア…っ…｣
｢…｣
そこにはボロボロになったアクシアさんがいた。
｢アクシア…またやられたのか…？｣
｢…｣
ローレンさんが訊ねるが、アクシアさんは俯いたまま何も答えない。
パタ姐は口を抑えて絶句している。
初めて目の当たりにした仲間の姿に慄いているように見えた。
｢みんな…ごめ……｣
話したくない、といったようにみんなの間を通り抜けて部屋に行こうとするアクシアさん。
｢うぁっ…！！やめっ……！！｣
それを阻んだのは、レオスさんだった。
レオスさんはボロボロのアクシアさんを無言で押さえつける。
｢やめてっ…！博士っ……！！｣
｢ヴィンさん？！何してんだよ！｣
ただでさえ苦しんでいるアクシアさんをさらに苦しめるレオスさんに怒りを覚えたローレンさんが叫ぶ。
オリバーさんはそれをただ口を閉ざして眺めていた。
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頭華(プロフ) - くらげさん» えへへ…コメントありがとうございます♡ (2021年10月5日 22時) (
レス) id: f03d065939 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - ヒィ…おそろしい…axくん…まさかここでクローンネタがくるとはって感じです想像の斜め上をいかれた流石すぎる…本日もお疲れ様です (2021年9月28日 17時) (レス) @page41 id: 8ae060a4c4 (このIDを非表示/違反報告)
頭華(プロフ) - Fineさん» コメントありがとうございます！勝手に脳内で博士の声で再生してしまいました笑 アクシア君の抱えているものがうまく描写できてたらいいな… 頭抱えて飛んで頂けたら幸いです！ (2021年9月28日 2時) (レス) id: f03d065939 (このIDを非表示/違反報告)
頭華(プロフ) - くらげさん» ありがとうございます！重たいですよね笑表情筋ぶっ壊れてほしいですねぇ〜 (2021年9月28日 1時) (レス) id: f03d065939 (このIDを非表示/違反報告)
Fine(プロフ) - あぁぁあぁぁあ何ですかこれぇ！？！？！？ｱﾞｱﾞｱﾞ重くて好き〜こんなの待ってました〜！！！！私の心臓が持ちませーん！いつも更新楽しみにしてます！アクシア……君は一体何を抱えているのかい……それ次第では私は頭抱えて飛ぶぞ……。 (2021年9月26日 16時) (レス) @page37 id: f4f4fca585 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：頭華 | 作成日時：2021年9月5日 2時
