握られた手 ページ37
「全く…ドアを開けたまんまでなぁにやってるんだか…」
「え、あれ……?」
「ホラ、起きてください?おーい」
ペチペチっと頬を叩かれる感覚。
「!!!」
「お、起きた」
あっっっぶな!!いま完全に意識飛ばしかけてた!
ぼんやりとする頭で視界に捉えたのは、青髪の人。
「も〜うちのアクシアくんを誘惑しないでくださぁい」
この間の抜けたような声は、レオスさんだ。
彼が助けてくれたのか。
「え…?おれ、いま、何を…?」
視界の端でアクシアさんがオロオロしているのが見える。
「アクシアくんは少し休みなさい。疲れてるんですよ、きっと」
ベッドで息を整えていた私をぺいっとどかし、そこにアクシアさんを座らせる。
私、いまなかなか危なかったからもう少し大切に扱われてもいいと思うんだけど…
そんな私には目もくれず、テキパキとアクシアさんを労るレオスさん。
「あのっ、Aちゃん…おれ…」
「大丈夫ですよ、アクシアさん。ゆっくり休んでくださいね」
申し訳無さそうにこちらを見つめるアクシアさん。怖くなかったと言ったら嘘になるが、ここは大丈夫だと言ってあげなくては。
「さっ、行きますよ」
レオスさんが私の腕を引っ張って、半ば強引に部屋を出た。
ドアを閉めても、ずっと腕を引っ張られたまま。
「あの…レオスさん…?」
握られた手が少し痛いのは、レオスさんの心の中みたいだと思った。
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頭華(プロフ) - くらげさん» えへへ…コメントありがとうございます♡ (2021年10月5日 22時) (レス) id: f03d065939 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - ヒィ…おそろしい…axくん…まさかここでクローンネタがくるとはって感じです想像の斜め上をいかれた流石すぎる…本日もお疲れ様です (2021年9月28日 17時) (レス) @page41 id: 8ae060a4c4 (このIDを非表示/違反報告)
頭華(プロフ) - Fineさん» コメントありがとうございます!勝手に脳内で博士の声で再生してしまいました笑 アクシア君の抱えているものがうまく描写できてたらいいな… 頭抱えて飛んで頂けたら幸いです! (2021年9月28日 2時) (レス) id: f03d065939 (このIDを非表示/違反報告)
頭華(プロフ) - くらげさん» ありがとうございます!重たいですよね笑表情筋ぶっ壊れてほしいですねぇ〜 (2021年9月28日 1時) (レス) id: f03d065939 (このIDを非表示/違反報告)
Fine(プロフ) - あぁぁあぁぁあ何ですかこれぇ!?!?!?ア゙ア゙ア゙重くて好き〜こんなの待ってました〜!!!!私の心臓が持ちませーん!いつも更新楽しみにしてます!アクシア……君は一体何を抱えているのかい……それ次第では私は頭抱えて飛ぶぞ……。 (2021年9月26日 16時) (レス) @page37 id: f4f4fca585 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:頭華 | 作成日時:2021年9月5日 2時