軽蔑 ページ19
「…よし!じゃあ風呂行ってこい!」
最後にぐしゃぐしゃっとされる。
せっかく少し感動してたのに…
「お先にお借りします」
「ゆっくりでいいかんね」
バスルームに行くにはリビングを出て廊下を通り、突き当たりを左に曲がると聞いた。
リビングを出て、廊下を歩きながら、オシャレな壁の装飾やライトに目を奪われる。
やはり豪邸だ。5人でお金を出し合って建てたのだろうか。
突き当たりに到着し、言われた通りに左に曲がる。丸い形の突き当たりは窓が大きく、月の光をいっぱいに取り込んでいた。
バスルームの扉を開けると、脱衣所があった。近くには洗面所らしき扉もある。奥の扉はお風呂場に繋がるものだろう。
とりあえず念願のお風呂だ。
ふうっ、と一息ついてから服を脱ごうとした時。
ガラッ
「…は?」
バスルームの扉が開き、そこには
驚いた顔をしているレオスさんが立っていた。
「えっ?!レオスさん?!」
「…」
脱ぎかけていた服をバッと戻し慌てる私とは違い、レオスさんは何を考えているのか、何も言わない。
「な…なにか用ですか…?」
無言でこちらに近づいてくる。
「あの…?」
声をかけるがなんの意味も無く、どんどん迫ってきて、ついに私の目の前で止まった。
かと思ったら、顔を近づけてくる。
「は?!え、ちょ、ちょっと…?」
長いまつ毛に、綺麗な瞳。
こんな状況なのに、この人って美麗な顔をしているんだな…なんて呑気に思ってしまう。
トンッと壁に左手をついて、逃げ道を塞がれる。
唇が触れてしまうんじゃないか、という距離まで来たレオスさんが、眼を細める。
反射的に、目をぎゅっと瞑ってしまった。
すると、親指で鎖骨をすっと撫でられた。
「ひゃっ?!」
「…何ですか?コレ。」
予想もしない所への刺激に、思わず変な声が出る。
コレ、と言った所を見ると、そこには赤い痕があった。
つい最近も、お金を手に入れる為におじさんと触れ合っていたことを思い出す。
鎖骨の他にも腕、太ももの内側、脚先、手首と、至る所につけられている。服を着ていれば見られることは無いが、今は裸足にキャミソールだ。どう考えたってバレている。
痕はすぐに消えるし、どうせ路地裏生活だしと思って許容してしまったことを後悔した。
レオスさんはたくさんある痕を1つずつ流し見る。
「あの、これは…っ…」
「はぁ…穢らわしいですねぇ…」
ゴミを見るみたいな目。
軽蔑された。
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頭華(プロフ) - くらげさん» えへへ…コメントありがとうございます♡ (2021年10月5日 22時) (レス) id: f03d065939 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - ヒィ…おそろしい…axくん…まさかここでクローンネタがくるとはって感じです想像の斜め上をいかれた流石すぎる…本日もお疲れ様です (2021年9月28日 17時) (レス) @page41 id: 8ae060a4c4 (このIDを非表示/違反報告)
頭華(プロフ) - Fineさん» コメントありがとうございます!勝手に脳内で博士の声で再生してしまいました笑 アクシア君の抱えているものがうまく描写できてたらいいな… 頭抱えて飛んで頂けたら幸いです! (2021年9月28日 2時) (レス) id: f03d065939 (このIDを非表示/違反報告)
頭華(プロフ) - くらげさん» ありがとうございます!重たいですよね笑表情筋ぶっ壊れてほしいですねぇ〜 (2021年9月28日 1時) (レス) id: f03d065939 (このIDを非表示/違反報告)
Fine(プロフ) - あぁぁあぁぁあ何ですかこれぇ!?!?!?ア゙ア゙ア゙重くて好き〜こんなの待ってました〜!!!!私の心臓が持ちませーん!いつも更新楽しみにしてます!アクシア……君は一体何を抱えているのかい……それ次第では私は頭抱えて飛ぶぞ……。 (2021年9月26日 16時) (レス) @page37 id: f4f4fca585 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:頭華 | 作成日時:2021年9月5日 2時