安心 ページ18
それぞれが自分の時間を過ごす為にリビングから出ていった。
部屋にはお皿を洗っているローレンさんと私だけだ。
｢手伝いますよ｣
｢おっ、サンキュ｣
2人で洗うと早く終わる。
加えて、ローレンさんの洗い方は慣れている感じがした。きっと普段から今日のように率先して家事をしているのだろう。
｢そういえばさ、Aちゃんって家事できんだね｣
｢一応、人並みにはできますよ｣
｢いやオーブンの掃除とか人並みレベルじゃなくない？そういう職業だったとか？｣
｢職にはついてませんが、昔から家が厳しくて。そういうのは一通り教えられてきたんです｣
そう言うと、ふーん…と何かを考えるような素振りを見せるローレンさん。
｢あのさひとつ聞いてもいい？｣
｢…なんでしょう｣
｢なんであんなとこで生活してたの？｣
｢それは…｣
いつか聞かれるとは思っていた。
けれど大丈夫だろうか、これを言っても…
どう伝えていいか分からず、黙り込んでしまう。
｢言いたくない？｣
小さく、頷く。
｢オッケーわかった、今は言わなくていい。でもいつかは話してくれる？｣
｢…はい｣
首を縦に振った。
｢じゃあお風呂、先に入ってきな｣
｢ありがとうございます…｣
お風呂に浸かるのなんて、何日ぶりだろう。
ふと、ローレンさんからの視線を感じる。
｢…何ですか？｣
｢Aちゃんってさぁ、ずっと路地裏にいたのに身体とか髪とか綺麗だよね？｣
｢…ホテルでシャワーしてたので…｣
｢ホテルで……？あ、あー…なるほど…そういう事ね…｣
生きていくためにはお金が必要だった。
だから私は自らを売ってお金を稼いでいたのだ。
小汚いおじさんに囁かれる愛の言葉なんてものは、私にとっては呪いでしかなかった、そんな最悪な日々。
すると、頭に温かな重みを感じた。
｢あんま自分を虐めないでくれよ｣
ローレンさんが私の頭に手を置いていた。
俗に言う、頭ポンポンってやつだ。
なるほど確かに、安心感のようなものを感じて心の底がじんわり暖かくなっていく気がする。
｢自分さえ我慢すれば、なんて思ってない？じゃあその我慢した自分は誰が褒めてくれるんだよ？｣
ぽんぽん。
ゆっくり、ふわふわと頭を撫でられる。
｢大丈夫だって、よく頑張ってるって、自分の事は、自分で褒めてやるんだよ｣
｢私…いつも自分を犠牲にしてた…｣
自分を大切にする、なんてありふれた表現だと思っていた。
実際は、自分を犠牲にしている人って多いのかもしれない。
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頭華(プロフ) - くらげさん» えへへ…コメントありがとうございます♡ (2021年10月5日 22時) (
レス) id: f03d065939 (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - ヒィ…おそろしい…axくん…まさかここでクローンネタがくるとはって感じです想像の斜め上をいかれた流石すぎる…本日もお疲れ様です (2021年9月28日 17時) (レス) @page41 id: 8ae060a4c4 (このIDを非表示/違反報告)
頭華(プロフ) - Fineさん» コメントありがとうございます！勝手に脳内で博士の声で再生してしまいました笑 アクシア君の抱えているものがうまく描写できてたらいいな… 頭抱えて飛んで頂けたら幸いです！ (2021年9月28日 2時) (レス) id: f03d065939 (このIDを非表示/違反報告)
頭華(プロフ) - くらげさん» ありがとうございます！重たいですよね笑表情筋ぶっ壊れてほしいですねぇ〜 (2021年9月28日 1時) (レス) id: f03d065939 (このIDを非表示/違反報告)
Fine(プロフ) - あぁぁあぁぁあ何ですかこれぇ！？！？！？ｱﾞｱﾞｱﾞ重くて好き〜こんなの待ってました〜！！！！私の心臓が持ちませーん！いつも更新楽しみにしてます！アクシア……君は一体何を抱えているのかい……それ次第では私は頭抱えて飛ぶぞ……。 (2021年9月26日 16時) (レス) @page37 id: f4f4fca585 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：頭華 | 作成日時：2021年9月5日 2時
