【ハイキュー!!×あんスタ】吸血鬼の妹は音駒に通っています (ページ30)

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無我夢中で走ってついたのはどこか分からない公園だった

外はもう真っ暗でいい子は帰る時間をとっくに過ぎていた

いい子じゃないから帰らなくていいよね。それに、夜が活動時間だし

ブランコに下を向いて座った

「なぁ、何してるんだ？」

「え……？」

ブランコを少し漕いでいると、人がいきなり現れた

その人はしゃがみこんだ状態でこっちを見ていた

その人はオレンジ髪の大人っぽい人だった

「何してるんだ？」

聞こえてなかったと思ったのか、もう一度言った

「何って……言われても………」

知らない人に言うほどのことじゃないんだけど…

「じゃあ、言い方を変えるな。家には帰らないのか？お兄ちゃんが心配してるだろ？」

「家には帰らない」

考えることもなく口に出していた

「そっか…。なにか、辛いことがあったんだな。話してみろ。少しは楽になるぞ？」

そう言って隣のブランコに座った

「………兄は2人いて、2人ともある学校に行ってるんです」

"少しは楽になるぞ？"

その言葉を聞いて楽になりたくて話始めていた

「幼なじみもそこに通ってるんです。3人で学校の話をされても分からなくて、仲間はずれにされた気がして…」

「お前は一緒にいかなかったのか？」

「目立つのが嫌いなんです…」

「……」

「ある日、1番上の兄の口調が変わりました。最初は思春期だし……。って思ってたんですけど、もう1人の兄が1番上の兄を嫌いはじめて………

2人は確実に"何か"が変わっていくのに私だけが取り残されてる気がしてっ！」

感情的になった私に彼は何をいうこともなく何をするわけでもなくただ耳を傾けてくれた

今の私にはそれがありがたかった

「私は昔、ううん、今も"出来損ない"なんですっ！

幼なじみになんだかんだでやってくれるって言われるけど、そうしないと嫌われてどこにいても居場所がない気がしてっ！生きてる意味がない気がしてっ」

そこまで言って温かい温もりに包まれた

「分かった。分かったから。辛かったな…」

隣のブランコにいたはずの彼はいつの間にか目の前にいて抱き締められていた

手は優しく頭を撫でてくれた

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああっ！！！」

「……」

彼の胸に顔を当てて大声で泣いた

～No side～

大声が徐々に消えて静かな寝息になった

「よしっ！」

彼はAを横抱きにして公園を出ていった