34 【TH】 ページ34
TH side
Aが泣いて始めて自分のしていることに気づいた。
出て行ったAを
必死に見つけようと
何度も電話をかけながら
車で探した。
街灯や車の通りもない、雪の降る夜は
視界が悪くて、かなりゆっくりの走行になった。
女性1人が雪の中、
徒歩で行ける距離なんてたかが知れてるから、
見つけられる自信はあったのに、
30分経過しても一向に気配すら感じなかった。
もしかしたら、
そう思って悩んだ末にかけた先はジョングクだった。
『はい、』
「………あのさ、今何してる？」
着信に出たはいいものの、
なんて言ったらいいかわからなくて、
不自然な間が空いてしまった。
「へ、今ですか？別に何もしてませんけど…」
ジョングクの反応は、
嘘はついていない咄嗟のもので、
直ぐにAといないことがわかった。
だから、適当にその場をおさめて電話を切った。
.
そして、それからさらに30分が経過した頃、
反対車線の歩道に1人の人影が見えた。
.
いた、
そう思って近づいた先には、
A
.
と
ジョングクがいた。
.
2人は抱きしめあっていて、
だから1人に見えたのだと気づいた。
.
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作者名：L | 作成日時：2021年4月27日 1時
