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冬の日だった。
テヒョンはいつも通り夜に来て、
適当にソファーで映画を見ていた。
映像とともに流れる音声が
沈黙を曖昧にして
私たちの関係を濁してくれる。
ふと席を立つテヒョンは、
別に大して何かするわけでもないのに
様子が気になる。
緊迫しているような気持ちだった。
一緒にいて楽しいかなとか、
ダメなところはないかなとか、
そういった不安が常にあった。
でも、実際はトイレに行っただけだった。
戻ってきては、
またソファーに座り無言で映画を見続ける。
特に変わり映えない状況の中、
呑気なメッセージの通知音が響いた。
その瞬間、2人の視線がテーブルの上にむく。
どちらも携帯を表を上に置いているから、
それは誰のものか一瞬にしてわかった。
JK明日9時ね
見えたメッセージは、
ジョングクからのもので、
空気が凍るのを肌で感じた。
実際、テヒョンから乾いた笑いがこぼれた。
『どんだけ仲良いんだよ』
怒ったのがわかった。
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作者名:L | 作成日時:2021年4月27日 1時