戻りたい【TH×JK】 (ページ19)

今日:16 hit、昨日:6 hit、合計:305,255 hit

19 【TH】ページ19

.

久しぶりに抱きしめたAの体が

その瞬間震えた。

そのことに傷かないわけがない。

Aの心臓の音を感じて

起きていることにも気づいていたのに、

俺はなにも言えなかった。

ただ少しだけ抱きしめる力を強めた。

.

目覚めると、Aはもういなくなっていた。

リビングの方から

何かを刻む音と、2人の笑い声が聞こえた。

最悪の気分だった。

あまり自分に自信を感じなかったことはなかったのに

何故か酷く劣等感を覚えて、

孤独を感じた。

孤独を感じているのに、

1人になりたいと思った。

.

『やばい！』

『ねぇうるさいー、起きちゃうでしょ～』

何をしているのか、

盛り上がってる2人の声は頭痛さえも招いて

塞ぎたくなった。

人見知りのジョングクが

こんなにもAに懐いて

それをAも受け入れているのが

気に入らなかった。

自分は必要とされてない。

そう思うことがどれだけ辛いか。

だけど、

結局はじまりの原因は俺にあったのだと

この時は気づかなかった。

.